北朝鮮からの「脱北者」意外なその後

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北朝鮮では、故・金正日総書記の誕生日の前後は国境警備が強化されていた。その理由は脱北を試みる人が増えるからだ。

そんな北朝鮮では現在、政府幹部の亡命が相次いでいる。

「最近は一般住民の脱北より、幹部が金正恩党委員長への“忠誠レース争い”から失脚画策の罠にかかって脱北するケースが増えているのです。今年2月には正恩氏の親戚筋に当たる国家保衛省の大佐が脱北したといわれています。ほかにも、脱北していた地方政府の幹部が逮捕され、今年5月に強制送還されていたことも判明しています」(北朝鮮ウオッチャー)

この大佐は、金日成主席の生母で“朝鮮の母”として神格化されている康盤石(カン・バンソク)の父、康敦煜(カン・ドヌク)の子孫だ。

幹部は強制送還されたようだが、一般住民が脱北に失敗するとどうなるのか

「保衛省(秘密警察)の拷問を受けます。その後、清津(チョンジン)の強制収容所に最低でも4カ月収容されるようですが、思想教育を受けたあと、賄賂を渡せるだけの資金力があれば元の職場なり、家庭に戻ることになります」(同・ウオッチャー)

 

脱北後に自ら帰国する人も?

脱北者の多くは身分証明書を持って逃げる。なぜかというと、ここには血液型が書いてあり、もし意識不明で病院送りになっても輸血の際に安心だからだ。ところが、北朝鮮の当局は血液型検査もせずに身分証に適当に記入するので、大抵は間違っている。

北朝鮮人民軍の軍服のまま脱北する軍人もいる。動機は金を稼ぐためだ。だから脱北というより非合法の出国で、資金を得たあとには帰国する軍人もいるという。

「ある脱北軍人は、国境警備兵に『出国する』と告げたと言います。軍人同士なのでそれで済む場合があるようです。軍服は念のためバッグにしまっておき、北朝鮮に戻ることがあった場合、再び着用する。北朝鮮では、軍服と身分証は貴重な財産のです」(同・ウオッチャー)

騙されて脱北者にされた例もある。

「肝臓病治療のため出国して中国の病院へ行こうと試みた人がいたのですが、中国人ブローカーに騙されて韓国に連れてこられてしまったのです。北朝鮮に帰国したいが、いったん韓国籍になった以上、違法行為となるのでそれはできません。北への帰国がかなう前に両親が死んでしまうことを一番恐れていましたね」(同・ウオッチャー)

脱北者の事情もさまざまだ。