途上国ルワンダが「英サッカーチーム」と巨額スポンサー契約した理由

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(C)Dmitry Lobanov / Shutterstock

アフリカ中部に位置するルワンダ共和国の政府が、サッカーのイングランド・プレミアリーグの人気サッカークラブ『アーセナルFC』と3年で推定4000万ドル(約44億円)という巨額のスポンサー契約を結んだことが話題になっている。

イギリスのメディアは今回の契約について「(援助するわが国の)オウンゴールだ」とする国会議員の声を紹介しただけでなく、オランダでも「ばかげている」との批判が出ている。なぜならルワンダは、国家収入の17%を他国からの援助でまかなっており、イギリスもオランダも援助する側なのだ。

「ルワンダは人口の約90%が農業に従事する農業国で、主要な輸出品目はコーヒーと茶です。1990年代には民族対立に端を発した世界的に有名な事件『ルワンダ虐殺』が起きています。このときに、もともと脆弱だった社会や経済の基盤が破壊され、特に女性を中心とした深刻な貧困層を生み出し、民間や外部からの投資を誘致する機会を失いました。ただ最近は、ポール・カガメ大統領によってIT立国を目指した20年計画が進められつつあります」(欧州駐在日本人会社員)

しかしながら、ルワンダは現在でも相当多額の借金を抱えており、国家推進プロジェクトのIT立国への道が頓挫すれば、インフラ整備が無駄になるばかりでなく、国が立ち行かなくなる恐れもある。

そんな国家財政の下で、何のメリットを求めてサッカークラブのスポンサー契約に走ったのか。

 

投資先として注目されているプレミアリーグだが…

「カガメ大統領は今後3年間、アーセナルのユニホームの袖に『VISIT RWANDA(ルワンダを訪れて)』のロゴが付くことで観光客を誘致できると説明しています。しかしオランダ政府は、単にカガメ大統領がアーセナルファンだからではないかと疑いの目を向けています」(同・会社員)

プレミアリーグには世界中からスター選手が集まり、欧米や中東、アジアの企業や富裕層から“投資先”として脚光を浴びている。世界規模で試合中継がされており、注目度は絶大であるため、テレビ放映権収入は他国より高い。

投資先としては分からないでもないが、ほかに資金をかけねばならないところはいくらでもあるというのが、批判の矛先になっているのだろう。ルワンダ政府がアーセナルの選手を招いてサッカー教室でも開けば、少しは国民からの批判の声もやむかもしれない。

 

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