金正恩委員長「マクドナルド誘致」で朝鮮半島に開発ブームが来るか

金正恩とドナルド・トランプ

画/彩賀ゆう(C)まいじつ

6月12日にシンガポールで開かれる史上初の米朝首脳会談。表向きは北朝鮮の非核化プロセスとその見返りがテーマだが、水面下で交渉が進められているのが大規模開発を伴う対北経済支援だ。

「6月3日付のワシントンポスト紙によると、金正恩委員長が北朝鮮にハンバーガーチェーン『マクドナルド』の誘致を希望しているらしいのです。実はニューヨーク・タイムズのコラムニストであるトーマス・フリードマン氏が、1996年に『紛争の当事国双方がマックを開店させると、それ以降、戦争が起きない』という『フリードマン理論』を発表しました。実際、1989年のパナマ、1991年のインド―パキスタン、2006年のイスラエル―レバノン、2008年のロシアとグルジア、2014年のウクライナをその例に挙げています」(国際ジャーナリスト)

ソ連崩壊直後にマクドナルドがモスクワで新店舗を開店したときには、極寒の雪の日だったにもかかわらず、数千の市民が行列をなした。北京でも第1号店がオープンした日には、やはり数千の列ができている。平壌なら、正恩委員長の命により動員される民衆が数万人は集まるだろう。

 

非武装地帯の再開発に関する問題も

ところで米朝融和のあかつきには、マクドナルド以上にその象徴となるものが必要だ。それが『トランプタワー』の平壌建設計画だという。アメリカの企業がノウハウを持ち込み、北朝鮮労働者を大量動員すれば米朝双方が潤う。観光地化すれば、世界中から物見遊山の旅行客が押し寄せるという計算だ。

「北緯38度線で南北を隔てるDMZ(非武装地帯=長さ249キロメートル、幅4キロメートル)の開発計画も浮上しています。そのため、これまで見向きもされなかった韓国側のDMZ付近にある坡州や議政府、東豆川、抱川、漣川などの地域では地価が急騰しています。この付近に『KTX(韓国高速鉄道)』と高速道路を走らせ、朝鮮半島の西海岸に位置する韓国の仁川空港と東海岸にある北朝鮮の金剛山を1時間でつなぐ計画も浮上しているからです」(同・ジャーナリスト)

65年前の朝鮮戦争休戦以来、手つかずの自然が残る広大なDMZには、希少なタンチョウやマナヅル、ツキノワグマが生息している。また、DMZのすぐ外の民間人統制区域には、絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト『レッドリスト』のなかでも最重要保護対象とされるアムールヒョウや目撃情報がほとんどないシベリアトラがいると考えられている。

もしサファリパークなどを造成すれば、これも世界的な観光地になる可能性が大きいかもしれない。

 

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