特撮番組で「特殊加工」にも使われた昭和の女の子用玩具

昭和40年代、長いスパンで売れた定番アイテムに『チェーンリング』があります。小さくてカラフルなリングをチェーン状につなげてアクセサリーを作ったり、お手玉やおはじきのような遊びをする女の子向けの玩具です。

同種の“チェーン玩具”がたくさん発売されたのですが、その中のひとつが今回ご紹介するサンスターの『レイボール』です。

球状のボディーの両端にUの字の形をした突起があり、この突起同士を連結させてチェーンによる首飾りを作る玩具です。突起が4対のものも交じっていて、多少複雑な形にすることができます。

さて、このレイボール、開発したサンスター文具さえ思いもよらない、ちょっと変わった使われ方をされていました。実は1966年10月16日にテレビ放送された特撮ヒーロー番組『ウルトラマン』の第14話『真珠貝防衛命令』に登場した怪獣『ガマクジラ』の全身を覆い尽くした無数のイボイボが、どうやらこのレイボールのようなのです。

『大ウルトラマン図鑑―空想特撮美術体系』(ホビージャパン)より

お分かりでしょうか? 拡大した画像がこちらです。

ウルトラマンの製作に関わった現場スタッフたちの証言集『ウルトラマン研究読本』(洋泉社)には、ガマクジラのイボイボに関して、こう書かれています。

《プラスチック玩具の首飾りの玉を利用してガマクジラの体表のイボイボが作られている。首飾りの玉はグリーン、ブルー、イエローを使ったとのこと》

どうやら当時、怪獣のぬいぐるみにブロック玩具やラップの筒など市販のものを利用するケースが多々あったようなのです。

にしてもまさか、こんな市販のありふれた女児用玩具が、日本中の子供たちの熱い注目の的だったウルトラ怪獣の全身に散りばめられていたとは!

かく言う私も、ツイッターでレイボールの画像をアップしたところ、ある怪獣ファンからガマクジラにそれらしい玩具が使われていたことを聞き、慌ててデジタル技術でリマスター化された高画質版『ウルトラマン』のDVDを見て確認した次第です。

今やすっかり忘れ去られたレイボールですが、この記事で『レイボール』の名が後世へとつながっていくきっかけになってくれれば幸いです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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