カンヌ受賞映画「万引き家族」がネトウヨから批判あびるが

映画『万引き家族』

(C)まいじつ

第71回カンヌ国際映画祭で最優秀賞にあたるパルムドールを受賞し、大きな話題になった映画『万引き家族』が6月8日から公開されている。

是枝裕和監督がパルムドール受賞の際に、「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」と、発言したことを受け、インターネット上で批判に晒された。

この映画は犯罪で生計を立てる一家を描いた作品。息子と共に万引きに精を出している日雇い仕事の男、治(リリー・フランキー)はある日、団地の廊下で凍えている少女のじゅりと出会い、彼女を家に連れて帰ることに。体中傷だらけのじゅりを見て境遇を察した一家は、貧しいながらも一緒に暮らし始めるが、ある事件をきっかけに家族の隠された秘密が明らかになるというストーリーだ。

映画で家族が万引きで生計を立てているという設定が“ネトウヨ”(ネット右翼)と呼ばれる人たちからの標的になった。

《万引き家族という映画が海外で大賞を取り日本のマスコミが「万引きで家族の絆が深まった」「その絆は海より深い」と絶賛してるが、万引きは窃盗という立派な犯罪であり、仮にその映画に芸術的な感動を覚えても褒められたものではない。真の家族の絆は決して犯罪などで生まれるものではない!》
《日本人は万引きで生計を立てたりしない》
《変なイメージを外国に植え付けるな》
《万引きのやり方を教えるなんて犯罪教唆だ。R指定にしろ》
《『万引き家族』のカンヌ受賞は世界に恥をさらすものだ》
《万引き家族という映画が評価されているようです。いくら芸術といえでも、どんなに家族の絆だか知りませんが、犯罪者家族であることは事実です。この種の映画が犯罪を助長させた事実もあります。万引きという窃盗である犯罪です。犯罪映画が仮に感動呼んでも褒められないと思います。私は絶対見ません。》

こういった投稿が広がっている。

また、作家の百田尚樹氏はDHCテレビが製作するインターネット配信番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』で次のように批判をしている。

「あとひとつだけ言いたい。是枝監督がね、映画撮って、カンヌ取りましたけど、なんか、向こうで言うたらしいね、日本はアジアに謝らなアカンとかってね。何を言うとんねん。外国にまでしょうもないことを言いに行くな、ホンマにね。村上春樹かホンマ、腹立つ。映画と関係ないやないか」

美容外科『高須クリニック』の高須克弥院長はツイッターへ次のように投稿した。

 

是枝監督がブログで示した見解は?

このような意見に対して是枝監督はブログで次のようにつづっている。

《実は受賞直後からいくつかの団体や自治体から今回の受賞を顕彰したいのだが、という問い合わせを頂きました。有り難いのですが現在まで全てお断りさせて頂いております。》

《映画がかつて、「国益」や「国策」と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、大げさなようですがこのような「平時」においても公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています。》

《このことを巡る左右両派!のバトルは終わりにして頂きたい。映画そのものについての賛否は是非継続して下さい。》

そして最後に《今回の『万引き家族』は文化庁の助成金を頂いております。ありがとうございます。助かりました。しかし、日本の映画産業の規模を考えるとまだまだ映画文化振興の為の予算は少ないです。映画製作の「現場を鼓舞する」方法はこのような「祝意」以外の形で野党のみなさんも一緒にご検討頂ければ幸いです。以上。》と記している。

 

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