榮倉奈々の数々の「かわいい死んだふり」が堪能できる映画

映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』

配給/KADOKAWA 角川シネマ新宿ほかで6月8日から全国公開
監督/李闘志男
出演/榮倉奈々、安田顕、大谷亮平、浅野和之、蛍雪次朗ほか

大柄美女が好みのせいか、身長170センチ超えのグラマラスな榮倉奈々はマイ・タイプ。近年御成婚なされ、これが『64(ロクヨン)』(2016年)以来の久しぶりの本格映画出演作。面妖なタイトルに惹かれてイソイソと観に行った次第だ。原作は『Yahoo!知恵袋』から始まったコミックエッセイで、まさかの映画化だとか。

バツイチのじゅん(安田顕)が年下のちえ(榮倉)と再婚して3年目のある日、帰宅すると妻が血を流して倒れている。慌てて救急車を呼ぼうとするじゅんに、ちえはむっくり起き上がり「驚きましたか?」とひと言、何事もなかったかのように食事の支度を始め、じゅんはあっけにとられる。しかし、それ以来毎日ちえは、コスプレにも凝りまくり“死んだふり”をエスカレートさせてゆく…。

 

夫婦間の「約束」がストーリーのキモ

やっぱり、榮倉ちゃんの“死んだふり”の数々が楽しいの何の。惚れた弱みだね。ポスター図柄にもなっているワニに頭からガブリと噛まれて“絶命”しているのがイチバンかわいいが、露出度では、刺青の肩のやわ肌を晒して、サラシを巻いた胸にドスが刺さって無念の憤死のシーンがエロくて、無残美、凄絶美も感じて最高。肩幅フェチでもあるボクは、榮倉ちゃんの肩の露出はゴチソウなのだ。

そのほか、兵士になって散華とか、女ドラキュラに扮して胸に杭を打たれてジ・エンドとか、コスプレ大行進なので、お好み次第。矢が頭に刺さったまんまで家事しているお茶目なところもツボかもしれない。やっぱり、榮倉ちゃんは“Aクラ(榮倉)ス!”、とオヤジギャクで称えてみました。

さて、映画のツボは、バツイチのじゅんが結婚する際に「3年たったらお互い結婚継続の意志があるか確認しよう」と約束していたこと。この“コスプレ死んだふり”は、妻からの夫への何かのサイン、それを見つけようとする話でもあるのだ。亭主族は、妻からの密やかな交信に気付かない、あるいは気付いても無視したりしがちな動物なのだ(反省)。妻の「月がきれいですね」の真意は? って判じ物みたいだが、観れば分かる、きっと。「お城行きますか?」で目黒エンペラー(東京で有名なラブホ)が映ったりする。何だかセックスレスっぽくもあるこの夫婦のこれもサインか?

ニヤリと笑えるラストも含め、観賞後の気分は悪くないのは“榮倉ちゃん効果”か。ユルいちゃあユルい、ヌルいっちゃあヌルい映画なのだろうが、この“微温”もまた夫婦和合の秘訣かも知れんゾ。

 

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