受動喫煙防止条例可決!「半減した喫煙率」と増え続ける肺がん死亡者数からわかること

禁煙

(C)Tom Wang / Shutterstock

従業員を雇う飲食店を原則として屋内禁煙にする東京都の受動喫煙防止条例が、6月27日に東京都議会で賛成多数により可決、成立した。都内の飲食店の8割以上が対象になり、政府が国会で審議中の法案よりも規制が強い。

一方国会では、自民党の穴見陽一衆院議員の発言が大きな問題になった。厚生労働委員会で参考人招致された日本肺がん患者連絡会の代表者が対策強化を訴えた際、「いいかげんにしろ!」と罵声を浴びせたためだ。穴見議員は謝罪のコメントを出したものの、いまだに炎上騒ぎは収まっていない。穴見議員が外食産業『ジョイフル』のオーナー一族だという点にも理由がありそうだ。

「喫煙が及ぼす外食市場の売り上げへの影響は、マイナス8401億円との試算もあり、中でも飲食しながらの喫煙スタイルが定着している居酒屋やバー、スナックへの影響が6554億円と最も大きい。屋内全面禁煙の動きは、資本力に勝る大手の外食チェーンや居酒屋チェーンはまだいいとしても、零細な居酒屋や飲食店にとっては死活問題です」(銀行系シンクタンク研究員)

 

喫煙と肺がんの因果関係は?

実はこうした全面的禁煙の動きは「魔女狩りだ」という声もある。その急先鋒である『バカの壁』の大ベストセラーを持つ解剖学者の養老孟司氏は、「タバコを吸おうと吸うまいと、肺がんに関しては大差ない」と言い放ち物議を醸した。

日本たばこ産業(JT)による『全国たばこ喫煙者率調査』によると、2014年時点における成人男性の平均喫煙率は30.3%。1965年以降でピークだった1966年の男性の平均喫煙率が83.7%だから、少なくとも男性の喫煙者はこの50年ほどの間に半減していることになる。

一方で、厚生労働省が2007年に発表した『人口動態統計』を見ると、がん死亡者数のうち肺がん(気管、気管支のがんを含む)による死亡者の数は、1950年から2007年までずっと増加を続けており、1999年にはそれまでの死亡者数最多の胃がんを抜いてトップに立った。

最新の2014年発表の人口動態統計でも、2013年の死亡数は依然、肺がんがトップのままだ。喫煙率は下がっているのに、肺がんは増加しているという事実からすると、養老氏の主張するように“タバコ=肺がん”ではないように見える。

この論法に対して、「あまりに単純比較過ぎる」「がんの増加は人口の高齢化によるもの」と異を唱える声もインターネット上などでは多く上がっている。

 

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