中国が起こす「絶滅危機」世界中から「ゾウ」と「ロバ」を爆買い

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象とロバ

(C)Sue Newcomb / Shutterstock

中国の爆買いパワーが、アフリカのロバ、ラオスのゾウにまで及んでいる。ケニアではこの3年ほどの間に、実に60万頭(全体の30%強)ものロバが中国に輸出された。中国の旺盛な需要の背景にあるのは“ロバの皮”だ。

「中国ではロバの皮から抽出されるゼラチンが、古来より漢方薬の『阿膠(あきょう)』として珍重されてきました。貧血や生理痛などに効果があるとされる他、美容や健康にもいいとして注目されるようになり、売り上げが急増したのです。需要が一気に増えたことで『阿膠』の生産には年間で400万頭ものロバが必要とされるようになり、中国国内のロバは1100万頭から600万頭以下にほぼ半減してしまったのです。危機感を持った中国の業者は、新たな調達先としてアフリカや中南米の貧しい人々に目を付けました。こうした国々の中には、中国市場で高く売れるロバの皮だけを狙って、違法取引が相次ぐようになり『第2の象牙問題』として輸出を禁止する動きも出ています」(自然保護に詳しいライター)

 

ゾウは象牙目的ではなく…

一方、ラオスから中国に送られるゾウは象牙が目当てではない。ラオス初の統一国家は、650年前のランサーン王国だが、ランサーンとは“100万頭の象”という意味で、ラオスはアジアゾウが多く生息している国だった。

しかし、現在は保護したり飼育されている象が400頭で、野生象が350頭、生息数は計750頭しかいない。

「ラオスではゾウは神聖な動物とされ、家族同然に暮らしてきましたが、ゾウは巨体なので食べ物も多く必要です。1日に150キログラムの食糧を食べ、120リットルの水を飲む。ですからゾウの飼育には大変な負担が強いられます。そこを中国人バイヤーに突かれ、札束攻勢でゾウを奪い取ったり、密猟者を雇っての狩猟が横行しました。この構図はやはり家族同然のロバをお金のために泣く泣く手放すアフリカの人々と同じです」(同・ライター)

中国人はゾウを中国に持って行ってどうするのだろうか。

「中国では国民の生活レベル向上に伴い、観光や興行ビジネスが成長しています。このためサーカスや動物園などでゾウの需要が増え、子供たちに人気なのです」(同・ライター)

ラオスのアジアゾウは、絶滅危惧IB類(レッドリスト)にも指定されている。中国はこれを「ただの紙切れ」とうそぶくのだろうか。

 

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