今も昔も「中国人が土地を爆買い」江戸幕府は断固たる処置をとっていた

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日本の幕末明治期に名倉松窓(なくら・しょうそう)という人物がいた。幕臣であり、漢学者、儒学者、大陸浪人、官吏を務め、明治以後は信敦、別号に“予何人”とも名乗った。幕末期から日清修好条規まで、日清外交の実務に携わった当時ナンバーワンの中国通である。

その名倉の『支那見聞録』に清国の“土地爆買い”の様子が登場する。

《近頃長崎ニ至リ西洋人ト共ニ隨意ニ地ヲ買ヒ館ヲ造ランセシ唐人アリ》

西洋人と同じように不動産を買いあさり、家屋を建設する中国人がいる。そして、これは由々しき事だと指摘している。

現在、北海道や新潟では、中国資本による土地の買収が問題視され、日本の国安全保障の大きな不安材料となっている。だがすでに、清国は江戸末期から土地を買いあさっていたという歴史があるのだ。

 

江戸幕府は在日中国商人に帰国を要請

名倉の上海での情報源の一つは新聞『上海新報』だったが、《東洋人来中係欲通商貿易(日本人が通商貿易を求めて来訪)》と書き出された同紙の記事には、こう書かれていた。

《日本が上海で通商を行うことを清国は自由にさせているのに、聞くところでは、最近日本在住中国人に、日本の幕府は、帰国を求めているとのこと。わが清国が日本人の上海での通商を許していることに逆行する措置であり、外交上甚だ公平を欠く》

幕府の禁制を犯しているわけだから日本在住清国人に退去を求めるのは当然の措置だったが、それは清国に言わせると不公平だという主張になっている。

外国に対して弱腰と長州藩や薩摩藩にバカにされた江戸幕府の方が、中国人の不動産爆買いに手をこまねいているだけの現在の政府よりは強い姿勢をとっていたのだ。

 

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