東京・田端駅周辺には鉄道マニア垂涎の6つの「レアもの」がある?

JR田端駅界隈には、徒歩10分圏内で、いずれもレアな6つの踏切に出会えるのだ。ちなみに、田端に住んでいた文豪の芥川龍之介は、横須賀線の踏切が物語のポイントとなる『蜜柑』を発表している。

田端駅の東側には機関車や客車の車両基地が広がっている。これらは“北の玄関口”と呼ばれる上野駅に対応しているもので、東北新幹線も田端から回送される。北口を出ると、頭上を通る新幹線に出くわし、その下にかかる田端大橋を渡れば、踏切の宝庫へ辿り着く。

田端大橋は1987(昭和62年)年に建て替えられ、旧橋は、田端ふれあい橋として、歩行者専用橋になった。橋の途中には初代東北・上越新幹線の団子鼻(200系)や車輪が飾られ、降り口の階段には山手線の各駅名のプレートもあり、田端が鉄道のまちであることをアピールしている。

階段下の信号を超えて、道なりに進むと上野―尾久間の東北回送線にぶつかる。同区間には上野方から『与美西』、『与美東』、『第二下田端』、『第三下田端』の4つの踏切があり、いずれも尾久車両センター手前の約400mほどに位置する。

実はこれらの踏切こそ、石川さゆりの演歌『津軽海峡冬景色』の歌い出しにある“上野発の夜行列車”の通り道で、昨年8月までは寝台列車の北斗星の姿も見られた。もちろん、いまでも30分ほどぶらぶらしていれば、踏切音を聴ける確率は高い。

また与美踏切は東が上り線、西が下り線専用となっていて、周辺は“東田端鉄道八景 与美夕照”として、地元で売り出し中だ。