東京・田端駅周辺には鉄道マニア垂涎の6つの「レアもの」がある?

5つ目は第三下田端踏切の東側にある『王子街道南亘り踏切』。機関車と電車の車両基地同士を結んでいるが、実際はほとんど閉まることのない文字通り、幻の踏切だ。ここへは田端大橋の北側とも繋がっているので、再び田端駅に戻ろう。

駅前の江戸坂を上り、高台通りを進めば、5分ほどで山手線を跨ぐ富士見橋にぶつかる。ここもレアな鉄道遺産で、田端方には旧山手線の道灌山トンネルの入り口が見えるのだ。

トンネル跡は車窓からも確認できるが、富士見橋を駒込方に歩けば、同線唯一の『中里第二踏切』に出会える。これが6番目の踏切で、ここからは駒込駅も望むことができる。外回り電車がホームに着くと、警報機が鳴り出す。

最近の踏切は、交通渋滞の原因になるなど、タバコと同じく世間の嫌われものになってしまった。けれど、鉄道のまち田端では、まだまだその音色は健在なのだ。

(ライター・野川果音)

 

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※ tarousite / PIXTA