オカルト女子は「脱ぐとすごいんです」池田エライザが快演する映画『ルームロンダリング』

映画『ルームロンダリング』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『ルームロンダリング』

配給/ファインフィルム 7月7日より新宿武蔵野館ほかで公開
監督/片桐健滋
出演/池田エライザ、渋川清彦、オダギリジョー、渡辺えりほか

マネーロンダリングといえば、不正なお金をロンダリング(洗浄)すること。賃貸物件で死者が出た場合、新しい入居者にその件を伝える義務があるが、ワンクッション置けばクリアになることに目を付けて、短期間その部屋に何者かを住まわせることをこの映画ではルームロンダリングと呼んでいる。そんな縁起でもない部屋に入る人間がいるのか? という素朴な疑問に、いるんだな、これが、という変なテイストが持ち味の作品。現実にこの仕事が存在するかは別として…。まあ、映画のネタだから。都市伝説的にはアリということで、よろしく。

好んでこの手の部屋に入ることを生業としている若い女性・御子(池田エライザ)。天涯孤独となったとき、母の弟の悟郎(オダギリジョー)が現れ、何やら怪しい仕事の請負業の彼に用意されたバイトがこれだったのだ。しかもこの仕事は“コミュニケーション障害”の彼女には打ってつけだった。うっかり自殺して後悔しているミュージシャン(渋川清彦)、見知らぬ男に部屋で殺されたOL(光本薫)の幽霊の登場にも怯むことなく、彼らの悩みや恨みを聞いてあげたりするが…。

 

オカルト女子のキャラ作りに配役がマッチ

とにかくオフビート感覚たっぷりで、脱力的魅力もある。幽霊たちもおどろおどろしい形では登場しない。特にミュージシャン幽霊の渋川は、このところ『榎田貿易堂』『菊とギロチン』などユニークな作品が続く個性派俳優としてブレーク中だけに、今回もファンキーな魅力を醸し出す。オダギリジョーも久々に軽妙な味を出している。「泣くな、笑え」のセリフや口ずさむ「お富さん」がまたステキなのだ。そんな脇役の男優たちに囲まれて、肝心のヒロインだ。

これまでのモデル出身の女優・タレントにありがちな女子力発信的なキャラを封印して、少しオカルト女子的なキャラ作りに見事成功している。長い髪の毛(時におかっぱ)、陰気な顔、表情少なく、いつもアヒルのオブジェを抱いている…ちょっと取り付く島がなさそうだが、一瞬着替えるシーンをボクは見逃さなかったね。白いブラにパンティーが眩しく、そのボディーは意外と肉付きが良く、着痩せグラマー度は高いぞ。モデル出身だけに当然高身長! “脱ぐとすごいんです”の典型と見たがいかがか。

社会問題もテーマにしつつ深刻ぶらないのが何より。幽霊が見える、というだけでホラー映画にしなかったセンスも買い。都会で暮らすことはシンドイけど、そんなに悪くない。早まって死んだり、理不尽にも殺されることは避けたいけれど…都市生活者のボクは無理なく共感できた。

 

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