地震に豪雨そのうえ「悪者あつかい」自衛隊はもう限界

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西日本を中心に甚大な被害を出した『平成30年7月豪雨』で、自衛隊は広島や岡山、愛媛など7府県から災害派遣要請を受け、住民救助や行方不明者の捜索、水害対応に当たった。大阪北部地震などへの災害派遣が続く中、懸念されていた“複合事態”(同時に二つ以上の災害などが発生)がついに現実のものとなったのだ。

「立て続けに起きた災害に自衛隊が対応しきれるのかと問われれば、答えは“ノー”です。自衛隊の人員規模(陸海空で23万人弱)では、さまざまな要望に応えるのは不可能だからです。自衛隊への全面的な依存を見直すか、あえて言えば、徴兵制にするかしかありません。日本では悪のイメージしかない徴兵制ですが、今年に入ってフランスやスウェーデンといった国では徴兵制復活論が出てきているのです。日本は少子化で自衛隊志願者が減るのは確実ですからなおさらです」(軍事ジャーナリスト)

徴兵制についての政府見解は、兵役は苦役に当たるため憲法18条《奴隷的拘束および苦役からの自由》に違反する、よって違憲との立場を採っている。

「徴兵制を憲法違反としているのはおそらく日本だけです。18条は、アメリカ憲法修正第13条『奴隷又は意に反する苦役の禁止』をコピーしたものです。この13条は奴隷制度が廃止された1865年に成立したもので、マッカーサー元帥から短期間に憲法草案の作成を命ぜられたわが国の実情に疎いアメリカの軍人が、日本にも奴隷がいると勘違いして導入したのでしょう」(同・ジャーナリスト)

 

復興活動中に抗議団体が…

自衛官の社会的地位は低く、ずっと社会の日陰者扱いで、時にはあからさまに悪人扱いされてきた。

「被災地でカレーを作って住民にふるまっていると、『憲法違反の自衛隊が作ったカレーを食べるべきではない』と書いた横断幕を持って抗議してきた人がいたりすることが今でもあります。こんな状況でも自衛隊という組織が破綻せずに、災害活動し続けて来たことは驚くべきことではないでしょうか」(同・ジャーナリスト)

日本は世界と比べて、軍隊に対して国民全体の尊敬の念が薄い国だとはいえ、これはあまりにひどい話だ。日本の場合、自衛官の生存者叙勲は低ランクに位置付けられる。もちろん彼らは受勲目当てに災害出動しているわけではない。

 

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