エロス、スリル、猟奇…刺激的過ぎた昭和の「秘境探検マガジン」

夏になるとムクムクと冒険心が湧き起こり、まだ誰も行ったことのない秘境を訪れ、探検してみたいと思うのが“男のさが”というものだ。

だが、秘境が存在したのはとうの昔の話。現在、そんな欲望を満足させるには『キングコング』などの南洋を舞台にした怪獣映画や、グァルティエロ・ヤコペッティ監督が世界中の奇妙で野蛮な風習を描いた『世界残酷物語シリーズ』などのドキュメンタリー映画、探検記を掲載した実話誌で擬似体験するしかない。

こういったときの欲望を満たしてくれるのが、双葉社より1950年代後期から1960年代にかけて発行されていた猟奇的秘境雑誌『別冊実話特報』だ。

1960年に発売された第25集の目次はこんな感じだ。

  • 大アマゾンに現存する“幻の怪獣”
  • 《日本の秘境》猫魔ヶ岳に現れた半獣人
  • 白色奴隷を求めるザンジバーの女人館
  • 文明を嗤うポリネシアの性と踊り

目を疑うようなものすごいタイトルがずらりと並んでいる。

インターネットで世界中の情報がリアルタイムで駆け巡る現在では、いかにも眉唾ものだが、このころは虚実混交としていたのだろう。

 

衝撃的な内容の記事

同号の『水爆実験地に現れた“放射能怪獣”』という記事では、アメリカのネバダ州にある核爆発実験場に現れたという怪物が紹介されている。金塊を探すために立ち入り禁止区域に忍び込んだある夫妻が、そこで怪物と遭遇するという話だ。

怪物は背の丈が人間の3倍以上もあり、《まぶたのない目をかっと見開き、唇のない口からは牙のような歯並びがむき出しになっていました。でも、そこには明らかに人間の表情がありました》と記されている。

この事件はアメリカ軍によって完全に極秘事項にされてしまったという。なるほど、だから追従する記事は存在しないというわけか。

1958年発行第16集に掲載された『白人から子種をもらう山猫族の女』と題された記事では、コンゴの奥地に住む原住民の不思議な風習を紹介している。

記事によればコンゴの山奥に《白人を見たら絶対に帰さない。彼らは、娘を白人と結婚させるために1カ月一緒の部屋に監禁しておく》…そんな部族があるらしい。

ある白人探検家がこの部族に監禁され、部族の娘と無理やり婚姻させられてしまったが、無事脱出するまでを手に汗握るスリリングなタッチで描かれている。この記事は《その後多くの探検家が向かったが、その誰もが『山猫族』の影すら発見することはできなかった。彼らの奇習は人類の全史を通じての怪奇といった方がいいかもしれない》と結ばれている。

とにもかくにも暑さでボ~ッとした頭にガツンと刺激になる雑誌であることは間違いない。古本屋でぜひ発掘していただき、脳内秘境探検してみてはいかかだろうか。

 

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