高層マンションの増加で生まれた「高所平気症」の子供たち

子供は、時として予想のつかない行動を取る。2014年4月には、東京都足立区でマンションの13階の外階段から、12階に飛び移ろうとして誤って転落し、死亡するという痛ましい事故が起きた。死亡したのは9歳の小学生で、普通なら足のすくむような高層階なのに危険過ぎる遊びをしていたのだ。

「高所が危険かどうかを判断する感覚は、4歳ごろまでに、大人の約8割のレベルにまで達します。しかし、この時期を高層階で過ごすと、部屋から空に近い景色は見えても地面が見えないため、自分のいる場所が高いかどうかを判断する能力が育ちにくいのです。子供が踏み台にしないように、ベランダにイスやテーブルセットなどを置くのはやめた方がいいでしょう」(福祉心理の研究者)

事故を防ぐためには、建築基準法で柵の高さの規制をより厳しくするなどの見直しが必要だろう。

一方で、マンションの高層階は広い間取りやペントハウスなどの影響で、庶民の憧れになることが多い。だが、心・脳血管障害のリスクのある人や、妊婦は居住を避けた方がよいという国内外の研究結果がある。どういうことか。

「心停止から電気ショックなどで心肺蘇生をする場合、処置が1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下します。119番通報から現場到着までの所要時間は、全国平均で8分30秒。そこから救急隊が高層階まで向かう所要時間が、こうした持病を持つ人にはそのままリスクとなるのです」(都内の外科医)