前田敦子「21歳の若いエロス」がはじける青春映画『苦役列車』は見ておけ!

 

作品目『苦役列車』

東宝/2012年 DVD発売中
監督/山下敦弘】
出演/森山未來、前田敦子、高良健吾、マキタスポーツほか

「私共、勝地涼と前田敦子は7月30日に入籍しました」――、と電撃婚をキメた前田敦子。勝地とは2015年のテレビドラマ『ど根性ガエル』での共演がきっかけとなり、今年の春ごろから交際がスタートし、数カ月でのゴールインとなった。これまで、佐藤健、三浦翔平、尾上松也など浮名を流した“恋多き女”も、どうやら覚悟を決めたようだ。

そんな前田は最新作『食べる女』(9月21日公開、小泉今日子主演)では、ずっと不倫ばかりしてきた恋愛体質のせいか、現在同棲中の“優良物件”な若い男性との結婚に踏み出せない役を演じているのが何とも皮肉である。偶然にも今回の新作で、実際の結婚相手、勝地とも行きつけのバーの飲み仲間という設定で共演もしている。

この作品では他の女優陣の沢尻エリカ、広瀬アリスなどにはベッドシーンがあるが、前田にはナシ。さては新郎に配慮したかな?

そんなゲズの勘ぐりはさておき、前田のエロス・シーンといえば、思い出すのは6年前の夏に公開され好評だったこの『苦役列車』。

 

アイドルから本格女優へのステップ作

原作は西村賢太。非正規肉体労働に日々を過ごし、コップ酒と風俗に心の慰めを求める若者の屈折を描いた芥川賞受賞作で、主演の森山未來はキネマ旬報主演男優賞に輝いたほど。前田は、ここで主人公が思いを寄せる古本屋の店番の女の子を演じた。アイドルから本格女優へ、というわけで、さすがに“完脱ぎ”とはいかないが、当時としては「現状リミットいっぱいの頑張り」という感じか。“初水浴”、そして“ずぶ濡れ暴行(未遂だが)”の洗礼を受けている。

まず、“初水浴”の方は、屈折した主人公(森山)らと一緒に海に行く前田が、最初は躊躇していたが、やがて意を決して上着を脱ぎ始め、スリップ姿になって勢い良く水にザブン。濡れたスリップから白いブラとパンティーが透けて、当時21歳の柔肌が拝めて何ともなまめかしい。一方“ずぶ濡れ暴行未遂”は、どしゃ降り雨の中で、主人公に思い余ってケダモノように押し倒され、襲われてしまう。濡れ濡れになりながらも必死に抗う前田…。結局未遂に終わるのだが、このシーンは、実にリアルな迫力があったものだ。

あれから6年。同じく猛暑の夏に、今度はうれしい“結婚報告”の前田敦子である。何とも“幸福感”の薄い『苦役列車』を見ながらお祝いするのもまた一興ではないか。

(映画評論家・秋本鉄次)

 

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