痴漢冤罪で「人生崩壊」!イザ巻き込まれたときへの準備と心構えとは

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東京都心に通勤している人にとって、電車の遅延は日常茶飯の出来事だ。その遅延の理由として、「線路に立ち入ったお客様がおり…」というアナウンスが駅に流れることがあるが、これは痴漢を疑われて逃げた人かもしれない。

痴漢は卑劣な性犯罪であるから、真犯人は厳しく罰せられなければならないが、「痴漢冤罪」である可能性も当然ながらあるのだ。通勤時間帯の満員電車であり、痴漢をしていなくても、被害女性や近くにいた目撃者に痴漢と誤解されることがある。

昨年、テレビ朝日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』に北村晴男弁護士が出演したとき、「痴漢で起訴されて、有罪になる確率は99%」と言っていた。この数字には、「本当にやった人」「やっていない人」「やっていないと主張した人」すべてが含まれる。

痴漢容疑で警察署に連行されると、取り調べが始まり、否認し続けていると、「条例違反の痴漢は、認めて供述書にサインすれば、数万円の罰金で済む。すぐに帰れるよ」と言われるだろう。真犯人ではない人も、かなり多くの人が警官のこの“甘い囁き”に落とされてしまう。

しかし、帰宅してふと我に返ったとき、やってもいない犯罪を認めてしまったことに後悔するかもしれない。

痴漢冤罪を晴らすにはどうすればいいのだろうか。性犯罪に詳しい都内の弁護士に聞いた。

「一旦確定した有罪判決を覆すためには再審を請求しなければなりません。証拠となった証言・証拠書類などが虚偽であったことや偽造・変造されたものであったことが証明されたとき、あるいは有罪判決を受けた者の利益となる新たな証拠が発見されたときなどに再審請求することができますが、再審請求が認められるハードルは非常に高いです。痴漢事件についていえば、無罪が証明できるような繊維検査やDNA鑑定など科学的証拠が収集できれば再審請求も可能でしょう」

要するに、無実であれば、警察の取り調べのときに絶対に認めてはいけないということだ。一旦認めてしまうと、それを覆すのは並大抵の労力では済まない。

 

スマホのアドレス帳に弁護士の番号を

警察官はときに強引な取り調べを行うことがあり、残念ながら、ただちにそれが違法とされるわけではない。否認し続けていると、真犯人が見つからない限り、釈放されず、拘留されることになる。

逮捕の効力は最大で72時間なので、警察署に連行されてしまった以上は、まずは2泊3日の留置場生活を覚悟する必要がある。

72時間たった後の拘留は、検察官が請求し、裁判官が決定する。容疑を否認している事件では、検察官は「釈放したら証拠を隠滅したり逃走したりする可能性が高い」として、被疑者の勾留を請求するのが一般的だ。裁判所も勾留の決定を容易に認める傾向にある。裁判官が出す勾留の決定は、まず10日間。必要があれば、その期間をさらに10日間延長することができる。よって、捜査段階の勾留は最大で20日間続くことになる。

その間の厳しい取り調べを乗り切るにはまず、弁護士を選任し、留置場から出るためにすべきことを相談するのが第一だ。

痴漢冤罪に巻き込まれないための方策については、弁護士によっても意見が異なる。前出の弁護士の意見はこうだ。

「万が一、疑われたときは、焦らずに、自分はやっていないことを主張し、同行を求められても『やっていないから同行する必要もない』と断り、後日警察から連絡があれば、弁護士を伴って出頭するのが賢明でしょう」

被害者女性が男性を捕まえたのが、車内ではなく、電車から降りたホーム上ということもしばしばある。そのような場合、男性から連絡をもらった弁護士が駆け付け、警察官に対して現行犯逮捕の要件を満たしてないことを伝えて、男性の身柄拘束を防いだというケースもあるという。

備えあれば憂いなし。すぐに連絡が取れそうな弁護士事務所の電話番号を、スマホのアドレス帳に入れておくのが賢明だ。

 

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