夢の新築一戸建てが「トラブル続発の欠陥住宅!」賠償請求はどこまで可能?

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居間の引き戸が曲がっている、台所のつり戸棚が指定品じゃない、風呂のシャワーフックが不良……。このような注文住宅を巡るトラブルが後を絶たない。建築途中に素人が見ても気付かないものばかりで、ほとんどは家が完成して、しばらく住んでから気付くことばかりだ。

埼玉県に住む会社員、鈴木正敏(仮名)さんも次のようにボヤく。

「大手住宅メーカーで家を建て、6月に引き渡しが終わりました。基礎工事で重大な設計ミスが見つかって以来トラブル続き。苦情を言えば、メーカー担当者は謝りますが、はっきり言って家を建て直したい。賠償請求は可能でしょうか」

消費者問題に詳しい弁護士がこう言う。

「民法には『仕事の目的物に瑕疵(かし)があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる』とあります。よって、建築物に欠陥があった場合、注文者は補修工事を請求することができます。また、補修工事の代わりに金銭による損害賠償を請求することも可能ですし、一部は補修工事を請求し、それ以外は損害賠償を請求する、というように両方とも部分的に請求することもできます」

自然災害の多い日本では、住む人の命に関わる問題でもあり、当然といえば当然だ。

「判例でも、設計・施工者(住宅メーカーなど)には安全性に配慮する注意義務があると認定されています。設計・施工者がこの義務を怠って、建築物に瑕疵が生じ、居住者の生命や身体または財産が侵害された場合には、原則としてその設計・施工者が居住者に対して不法行為責任を負うと判断されています」(前出の弁護士)

 

場合によっては慰謝料の請求も認められる

ただ、直接的に生命や身体に関わる被害でなくても、普通の人にとって家を建てるのは大きな買い物であり、精神的苦痛もあるだろう。その点はどうなのだろうか。

「精神的苦痛に対する慰謝料が認められるかどうかについて、明確な基準が確立されていません。今まではケースバイケースで判断されています」(前出の弁護士)

設計・施工者が居住者との打ち合せや連絡に十分な配慮をせず、合意事項も工事に的確に反映させなかったことから、不安を感じた注文者(施主)が工事現場付近にアパートを借りた例もあったという。

その注文者が設計・施工者に対し、頻繁に茶菓子を提供するなどの世話をして対応したにもかかわらず、誠実な対応がなかったことについて、建築物の瑕疵の程度等も併せ考慮して、200万円の慰謝料が認められそうだ。

「原則としては、補修工事を請求するか、補修工事に代わる損害賠償を請求することになりますが、例外として、瑕疵の重大性、契約を締結するまでの経緯、注文者と請負人との話し合い、請負人の対応等の要素を考慮して、補修工事やそれに代わる損害賠償をしてもらってもなお、償いきれない特別の精神的損害を被っていると認められる場合に限り、慰謝料が認められるといえるでしょう」(前出の弁護士)

ところで、新築マイホームを考えたとき、ほとんどの人がどの会社に注文するか悩むだろう。数多くのテレビCMで有名な大手ハウスメーカーがいいのか、地場産業として主に地元に特化して業務を行っている「○○工務店」みたいな会社がいいのか。

一概にどちらが良いとは言えないものの、有名な大手メーカーは自社で大工や左官を抱えているわけではない。結局は、子会社や地場の提携工務店に仕事を下請けに出している。ハウスメーカーは「家を売る」、工務店は「家をつくる」というイメージだ。大手が良いとは限らないので、くれぐれもご注意を。

 

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