お化け屋敷の「恐怖体験」を味わえた昭和マンガ雑誌の図解記事

(C)Lario Tus / Shutterstock

昭和40年~50年代、夏にはテレビや雑誌で“怪奇特集”がよく組まれた。

しかし、インターネットの普及に伴う情報の過剰供給により、全世界がフラットになり、“闇”を感じられなくなったせいだろうか、最近ではあまりはやらないようだ。

夏祭りでは、近所の神社の境内に「お化け屋敷」の屋台が出現し、怖いもの見たさの好奇心を満足させてくれたものだが、お化け屋敷屋台の興行はもはや絶滅寸前といったところか。

同時期、そんなお化け屋敷体験を手軽に楽しませてくれたのが少年漫画雑誌の図解記事だった。

こちらは当時の人気絵師・小松崎茂が描いた《ヨーロッパの妖怪城》という図解だ。

『週刊少年マガジン』(講談社/1967年7月30日号より)

見開きページいっぱいに展開する2色絵の迫力たるや。子供たちはまだ見たことのないヨーロッパの古城という、エキゾチックな舞台で展開する西洋のお化け屋敷を脳内で体験し、さぞ納涼気分を味わったに違いない。

 

脳内妄想で楽しめた時代

日本からは水木しげるの『悪魔くん』に登場した《魔法ひみつ研究所》の図解がこちら。

『週刊少年マガジン』(講談社/1966年10月30日号より)

作品内ではあまり紹介されることのなかった《魔法大全集》《魔法のランプ》《古代のかんおけ》などといったディテールが想像力をかき立ててくれる。

さて、お化け屋敷を実際に作ってみよう、というのがこちら企画。

『週刊少年サンデー』(小学館/1966年8月28日号より)

レンズとスリガラス、鏡や照明器などを使った分かりやすい科学的なトリックを用いているので、子供たちも「自分でもできそう」「こうした方が面白い」という気持ちを喚起したのではないだろうか。

もちろん、ほとんどの子供は実際には作らず、脳内で妄想するだけだったろうが、楽しいアイデアに満ち溢れたこれらの図解を見るだけで充分に楽しめたのだ。

お化け屋敷はVR技術の進歩により、どんどんリアルになっていくだろう。雑誌の図解を見て妄想して楽しんだ世代には刺激が強過ぎるかもしれない。

 

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