『新潮45』LGBT大炎上と「マレーシア同性愛公開杖打ち刑」の共通点

(C)Galina Kovalenko / Shutterstock

同性愛などLGBT(セクシュアル・マイノリティー=性的少数者)に対する理解は、保守性の強い発展途上国ではまだまだ低い。

今年4月、マレーシア東部のトレンガヌ州で、広場に停めた車内で性行為をしようとしていた22歳と32歳のマレーシア人の女性イスラム教徒が、宗教警察に見つかり逮捕された。

「イスラム教の『シャリア法』にもとづく宗教裁判所による処罰は“杖打ち刑”と罰金3300リンギット(約9万円)で、2人は8月にイスラム法違反での有罪を認め、去る9月3日、公開の場で杖で6回打たれる刑を受けました。地元紙によると、100人以上が見物したそうです。同州で同性愛を理由に有罪となるのは今回が初めてで、公開杖打ち刑が行われるのも初めてでした」(シンガポール在住の日本人ジャーナリスト)

イスラム法による杖打ち刑は、世俗の刑法(同性愛行為を違法と定めている)にもとづく杖打ち刑とは異なり、拷問したり傷つけたりすることを目的としていない。あくまで「社会への戒め」として公開の場で行われる。

 

はなから炎上目的?

しかし今、世界の趨勢はLGBTに対する人権擁護に大きく傾いているはずだ。

「マレーシアの多くの人権団体が公開の杖打ち刑に強く反発しており、代表的な女性人権団体も外国通信社に対して『深刻な人権侵害を恐ろしく思う』と批判しています。また女性支援組織は『成人2人の同意にもとづく性行為を、犯罪扱いすべきではない。まして、杖やムチで打って罰するなどもっての外だ』と語気を強めて批判しています」(同・ジャーナリスト)

翻って日本では、去る7月に自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌『新潮45』に寄稿した「LGBT支援の度が過ぎる」が大きな批判にさらされ、それに対して9月18日に発売された同誌10月号で「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特別企画が組まれ、ネット上で、「ヒド過ぎて途方に暮れるレベル」「出版社としてのスタンスに疑問を感じる」などと世間から大バッシングを浴びて、最後は休刊となってしまった。

マレーシアの“公開処刑”が「社会への戒め」と称するのは、逆に言うとLGBTに傾く社会に対してイスラムの保守派が注目を集めるためにやっているようにもとれるし、『新潮45』の特集記事も“杉田論擁護”が目的だったわけではなく「とりあえず炎上して世間の注目を集めたかった」が真意のような気もするが、あげくに休刊では…。

 

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