調教と服従を描くソフトSM恋愛映画の最終章『フィフティ・シェイズ・フリード』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『フィフティ・シェイズ・フリード』

配給/東宝東和 TOHOシネマズシャンテほかで10月5日より公開
監督/ジェームズ・フォーリー
出演/ダコタ・ジョンソン、ジェイミー・ドーナンほか

ベストセラーとなったE・L・ジェームズ原作のエロス小説『フィフティ・シェイズ』シリーズの第3作にして最終章だそうな。ちなみに“フィフティ・シェイズ”とは「50の色合い」という意味。往年のエロス物『O嬢の物語』(75年)の21世紀版か、といえば、中高年世代には分かりやすいかも。

1作目『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15年)ではSM的性癖を持つイケメンCEOが恋愛未経験の女子大生を見初め、初体験&調教し、やがて破局する。2作目『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(17年)では、出版社に就職した彼女が、復縁を迫る彼の前にあっさり陥落。そして、今回は幾多の困難を乗り越え、華燭の典を挙げる。

“玉の輿女”と青年大富豪の痴情が繰り返されるシリーズも3作目ともなると、トゥー・マッチ感は否めない。しょせん、超ド級のお金持ち青年は超ドエスだったというだけ話だからね。それでもヒロイン、ダコタ・ジョンソンのハダカとSMシーンに、つい身を乗り出して見てしまうボクもチョロいオッサンだぜ。

 

元上司がアナの幸せを脅かす

紆余曲折の後、クリスチャン(ジェイミー・ドーナン)と挙式して幸せな結婚生活を送るアナ(ダコタ・ジョンソン)だが、命を脅かされる事件が起こった。過去にアナが勤めていた出版社の上司で、彼女に恋心を抱き、セクハラまがいの行為をして失脚したハイド(エリック・ジョンソン)の仕業だった。あの手この手を使い、アナの幸せを妨害しようとするハイドの魔手に2人は立ち向かう…。

個人的には第2作が一番見どころがあったが、それに助演していた“主人公を性癖に目覚めさせた元凶の女性”役のキム・ベイシンガー様が不在なのが、今回の個人的致命傷。何せボクの世界最愛女優なのだから。もっとキム様に、この「フィフティ・シェイズ」ワールドを引っ掻き回してほしかったのになあ。残念。

結局、どんどん“外道”の世界を進み、一緒に地獄に堕ちるか、と思いきや何とも能天気なラストまで、もう嗤うしかない? ついこちらもゲスな妄想を逞しく、ゾゾなんとかの社長と女優の某あやめ嬢のラブラブな世界ってこんなのかも? と思ってしまう始末。ちなみにダコタ・ジョンソンは、往年のテレビの『マイアミ・バイス』などの二枚目スターのドン・ジョンソンと『ワーキング・ガール』(88年)などの人気女優のメラニー・グリフィスの間に生まれた“サラブレッド”。さすがに、シリーズの次はないと思われるが、アナザー「フィフティ・シェイズ」なんてのが出てきそうで、怖いよ。

 

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