難民問題の裏で急増し続けている「密入国ビジネス」とは

まず、金の受け渡しは、当局の追及の手から逃れるため、人間同士の信頼関係にもとづいた10人ごとの秘密ネットワーク間で行われる。1年前は地中海を渡るのに1500ドルが相場だったが、昨年8月には1人当たり2200ドルまで高騰し、1年で5割増しになった。

ユーロポールによれば、こうした密入国取引には、昨年3月以降で3000名近くが関与し、リビアとシチリア島との数千隻に上る海上輸送に手を貸したとの疑いで、イタリアだけで24人以上が逮捕された。それでも摘発されるのはごく一部だ。

「多国間にまたがる匿名の組織によって構成されているため、密入国ネットワークを構成する組織の大半は摘発されていません。難民も費用を支払って救出した家族も、今後強制送還されるかもしれないことを恐れ、仲介人に関して口を割りません」(同)

イタチごっこのように苦しみはいつまでも続く。

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※BR01 / PIXTA