“人妻エロティシズム”充満の篠原涼子を堪能するサスペンス『人魚の眠る家』

篠原涼子『人魚の眠る家』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『人魚の眠る家』

配給/松竹 11月16日より新宿ピカデリーほかで全国ロードショー
監督/堤幸彦
出演/篠原涼子、西島秀俊、松坂慶子、川栄李奈、坂口健太郎ほか

原作はベストセラー作家、東野圭吾の同名サスペンス小説で、テレビの『TRICK』シリーズや映画『明日の記憶』(06年)、『天空の蜂』(15年)などのヒット・メーカー堤幸彦が監督している。キャストも女優陣が豪華なので、ボクとしてはうれしい限り。

中でも筆頭ヒロインの篠原涼子が熱演している。ちょっと前まではテレビ・シリーズで“姐御”キャラを前面に押し出していたが、結婚してからは“普通の主婦”役が増えた。それに伴い(?)“人妻エロス”が増量中で、今年夏の『サニー 強い気持ち・強い愛』でも専業主婦の役で、今回の新作も含め、どこか“触れなば落ちん”の風情アリでソソられる。大いにソソられる。かつてはスレンダーなイメージだったが、最近は肉付きもむっちりとしてきて、あのぽってり唇と呼応するかのようで、たとえ脱がずとも“熟女ファン”には四十路半ば(45歳)の色香がむんむんと伝わってたまらない。

彼女、10月からオンエア中の車のCMで、ボディーライン強調のピッチリとしたドレスで踊る際、たわわな実りが丸分かり。もちろん、今回は、プール事故で意識不明のまま眠る幼いわが娘に対し、ある決断を下すシリアスなサスペンス家庭劇なので、あまり篠原の“人妻エロス”を強調しちゃ申し訳ないのだが…つい、出来心で…。

 

常軌を逸した母の愛

IT機器メーカー経営の夫・和昌(西島秀俊)と妻・薫子(篠原)はすでに別居状態で、娘の受験が終わったら離婚する予定だった。しかし、娘がプール事故により昏睡状態に陥り、事態は一変する。すでに脳死状態であり、臓器提供を渋々受け入れようとしたとき娘の手が一瞬動いたと信じた薫子は、一転、移植を拒否し、夫の会社が開発中の技術を使い、娘を生き返らそうとするが…。

ただ眠っているかのような愛娘の姿に、取り憑かれた母の愛の狂気が加速する。中盤からクライマックスにかけて、あの大粒の瞳をカッキと見開いて、娘の復活・再生を盲信する姿は、ホラー映画のよう。実際、禁断の研究開発はさながら“フランケンシュタイン博士”のソレに近い。眠る娘を人形のように着飾らせ、外へ連れ歩き、ご近所や学校のウワサにもなるあたりは、かなりイッちゃっている。クライマックスは“包丁沙汰”にもなるのだがらオソロシイ。

常軌を逸した母の愛の先に見えるものは何? 最先端技術は人を救えるのか否か? など興味深いテーマが重層的に押し寄せ、見応えアリ。それでもやっぱり、一番の魅力は熱演・涼子の“人妻エロス”かな(←しつこい)。

 

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