女子高生『土屋太鳳』に萌えるド・ストレート青春映画『春待つ僕ら』

映画『春待つ僕ら』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『春待つ僕ら』

配給/ワーナー 12月14日よりTOHOシネマズ新宿ほかで全国公開
監督/平川雄一朗
出演/土屋太鳳、北村匠海、小関裕太、緒川たまきほか

“ゴツい名前だけどカワイい女優”というギャップ萌えが人気の、といえば、剛力彩芽と双璧なのが土屋太鳳。最近、剛力の方がゾゾなんちゃらの社長とイイ仲になって女優どころじゃなくなったせいか、もはや土屋の独壇場(?)と言えるだろう。映画も秋に公開されたホラーの『累(かさね)』など好調だし、テレビも人気ドラマ『下町ロケット』の新章では、阿部寛の娘で“帝国重工”のエンジニアになったヒロインを務めている。そんな彼女の新作は、正統派の青春バスケ映画だ。

何をするのも1人の“ぼっち女子”美月(土屋太鳳)の運命を変えたのは、浅倉(北村匠海)ら4人のバスケ男子だった。一緒に行動し始めるうち、最初はチャラい奴らという印象だったのに、彼らのバスケに対する真摯な思いを知り、美月の心は次第に変化してゆくのだった…。

監督が『ROOKIES-卒業-』などの平川雄一朗のせいか、気恥ずかしいぐらいのド・ストレートな展開で青春を謳歌する。まあ、ここまであからさまに直球勝負だと、逆にすがすがしい。もちろん、残念ながらエロやセクシーはありません。土屋がチアガールになるという設定とかもありません。念のため。

 

未知数の可能性を持つ“原木”土屋太鳳

土屋もすでに23歳で“大人の役”が定着しつつあるのに、設定上とはいえ5歳以上もサバ読んで、まあヌケヌケと多感な女子高校生を演じている。友達のいない“ぼっち少女”というキャラだが、あれくらいのルックスがあればクラスの人気者になってもおかしくないのに、イマの学園はそう簡単ではないのか? すでに学園生活など、約半世紀前の忘却の彼方にあるオッサンとしては軽々しく口を挟めないのだが。

逆を言えば、十代のころにこの映画を見たら素直に感動しているかもしれない。中高年世代が観ても悪い気分はしない。孫世代と行くならアリかも!

幼なじみとの再会、バスケ部の全国制覇へ向けての切磋琢磨の中、ヒロインの揺れる乙女心などが焦点だが、このあたりは土屋太鳳へのファン度が試される。彼女とバスケ部4人との溜まり場での、丁々発止の会話などに妙味はある。ボクは彼女をもっとイジるラブ・コメディーが観たい。土屋太鳳は、まだまだ切り出した原木のようで、今後どういう形になってゆくのか未知数だ。親戚のオジサン気分で見守りたい。

 

【あわせて読みたい】