北朝鮮の“滝川クリステル”あのピンクのおばさんが消えた!?

北朝鮮 李春姫

12月4日、英紙『デイリー・テレグラフ』は、北朝鮮の朝鮮中央テレビのアナウンサー、李春姫(リ・チュニ=75)女史が引退すると伝えた。この名前には聞き覚えがなくても、北朝鮮のテレビ報道で独特の抑揚をつけながらニュースを読み上げるピンクのチマ・チョゴリ姿のアナウンサーといえば分かるだろう。

同紙は、このことから「ピンク・レディー」とあだ名を付け、日本では「滝川クリステル」をもじって“北側クリステル”とも呼ばれていた。

「同紙は李氏の声が、金正恩党委員長が追求する先端技術のイメージとマッチしないために引退したのではと分析しています。何しろ女優出身の李氏は、1971年から半世紀近く北朝鮮のニュースを伝えてきのですから、あの抑揚ぶりが、アナログ時代そのものと言われても仕方がないところがあります。とはいえ、特にこの10年間は北朝鮮にとって重要なニュースを読み上げています。とりわけ伝説となっているのが、2011年12月17日の金正日総書記の死去を伝える報道でした。ちなみに当然ですが、このときは、黒いチマ・チョゴリで登場しています。もう1つ、ついでに言えば、女優好きの正日総書記の愛人だったこともあるという説もあります」(北朝鮮ウオッチャー)

12年には中国メディアのインタビューに応え、「引退して後進の指導にあたりたい」と述べている。ちなみに米政府系のラジオ『フリー・アジア』によると、女子アナ選びは、正恩委員長が直接口を出すほど熱を入れているというから、テレグラフ紙の「デジタル放送時代にマッチしないから」という引退理由も、あながち的を外していないだろう。

 

最近はそれなりに”今風”になっているらしい

北朝鮮でもアナウンサーは花形職業だ。

「元朝鮮中央テレビの職員のチャン・ヘソン氏(1996年に韓国亡命)によると、同局のアナウンサーになるには出身成分(身分)が良いことは最低条件で、かつ針の穴ほどの狭き門を突破しなければなりません。ニュースを読み上げる際、最も重要なのは『気迫』だと教え込まれますから、完全な体育系です。もちろん待遇はよく、一般民衆が口にできない食材が供給され、家財道具や電気製品、スーツや化粧品なども党が直接提供してくれます」(同・ウオッチャー)

すでに朝鮮中央テレビのメインアンカーは30代とみられる人物と交代している。米ABCニュースによると、仕立ての良い洋服を着た若い世代のアンカーは、伝統的で権威主義的なリポートスタイルを捨て、聴衆を参加させるなど現代的かつ双方向で疎通する方法を採用している。もちろん正恩委員長の”ご指導”によるものだ。

 

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