NHKが大変身!?『視聴率』のため「教養よりバラエティー重視」

(C)Izida1991 / Shutterstock

「NHKの良心」といわれている『文化・福祉番組部』が解体の危機に直面している。『ETV特集』や『こころの時代』、『ハートネットTV』など、多くの福祉・教養番組が今後、消滅する可能性もあり、ネット上ではNHKの姿勢をいぶかしむ声が広がっている。

検討されている改革案は、6月以降、制作局にある8つの部を6つのユニットに改めるというもの。他の部がユニットとして事実上存続するのに対し、文化・福祉番組部だけは2つのユニットに分割・吸収されるという。

狙い撃ちのような解体案にNHK局員からも猛反発が起きているというが、なぜ、今このような改革が実行されようとしているのだろうか。

「昨年は『静かで、にぎやかな世界~手話で生きる子どもたち~』が文化庁芸術祭・テレビドキュメンタリー部門の大賞を受賞するなど、良質な番組を制作する部署として視聴者からの評価も高かったのですが、予算がかかる割には高視聴率を稼げるわけではなく、一部の幹部からは解体を主張する声が根強かったのです。近年、NHKは視聴率稼ぎに躍起になっており、識者の中からは『NHKが民放化してどうするんだ』と疑問の声が上がっています」(NHK番組関係者)

 

バラエティー化が進むNHK

昨年8月に放送された『NHKスペシャル 知床ヒグマ運命の旅』では、知床に生きるヒグマを4年間にわたり追い掛けるなど、民放では予算、時間ともに太刀打ちできないほど良質な番組を制作していただけに、ネット上では《ジャーナリズムはどこにいったんだ》《良質な番組がたくさんあったのに、公共放送の意味とは?》《視聴率だけがすべてではないよね》など、NHKの姿勢に疑問を呈する声が殺到している。

「結局、NHKだからといって、視聴率を無視することはできないというわけです。国民から受信料を徴収している以上、ある意味、民放以上に数字にはこだわる傾向がありますね。最近では、『チコちゃんに叱られる!』が大ヒットとなりましたが、司会の岡村隆史に代表されるように、さまざまな番組でお笑い芸人が起用されるようになったのも、バラエティー化が進んでいる証拠でしょう」(エンタメ誌記者)

2月13日には、新番組『逆転人生』の新キャスターに杉浦友紀アナウンサーが就任することが発表されたが、コンビを組むのは『南海キャンディーズ』の山里亮太だ。芸人を起用する傾向は今後もより一層続いていくと思われる。

決して万人受けはしなくとも、良質な番組を楽しみにしている視聴者は数多い。安易なバラエティー路線への方向転換は逆に視聴者からの反感を買うことにもなる。このままではチコちゃんに叱られちゃうかも!?

 

【画像】

Izida1991 / Shutterstock

【あわせて読みたい】