フジテレビ〝月9〟ドラマ『ラジエーションハウス』が、医療関係者の間で「ウソ過ぎる」と悪評プンプンのようだ。ドラマは第6話終了時点で平均視聴率11.7%と、まずまずの数字を残しているが…。
「ドラマですから多少の誇張があっても仕方ないと思います。しかし、医療の現場とあまりにかけ離れている描写をするのもどうか。職種に誤解を与えるし、視聴者を騙していることと同じでしょう」(医学ライター)
五十嵐唯織(窪田正孝)は、写真には必ず〝真実〟が写ると信じている放射線技師。アメリカで権威ある放射線科医から認められ、帰国。ヒロインの甘春杏(本田翼)が放射線科医として働く甘春総合病院に就職する。五十嵐と杏は幼なじみという設定で、杏を助けるという放射線技師にスポットを当てたドラマだ。
「医師ドラマではなく〝技師ドラマ〟というのは斬新です。でも意味不明なのは、五十嵐は医師免許を所持。それなのに『放射線技師』として就職したこと。しかも医師免許所持を同僚技師に隠しているというのです。ここからして訳が分かりません」(ドラマライター)
目に余る越権行為の数々
放射線科医は専門職で治療医と診断医とがあるが、ドラマなのでそこまで詳細でなくてもいい。ただ、放射線科医はCT、MRIを扱えれば照射も行う。技師は医師の指示を受けるオペレーターが役割だ。
「つまり医師の指示がないと勝手に動くことはできないのです。ところが医師に無許可で撮影を行ったりする。それならば最初から放射線科医になればよかったでしょう。しかも幼なじみなのに、杏は窪田のことをまるで覚えてもいない。この矛盾は1、2話目から指摘されています」(前出の医学ライター)
さらに黒子であるはずの技師が、越権どころか常軌を逸した行動を取ったりもする。
「患者に直接会って病状まで説明してしまう。これは100%あり得ない話。特に第5話で、突然亡くなった少年が肝臓破裂であることを遺族に説明。そこには暴行があったと推測。ついには犯人を断定し、警察が来るという内容には、もうアゼンです」(同・ライター)
ドラマを見ていた勤務医は言う。
「死亡原因を技師が告げるなんて絶対にありません。だいたい遺族との説明の場で、技師が死因を告げてもいいなら医師など不要。まして犯人捜しを技師がするなんてウソ過ぎ。警察の通報も医師の役目だし、医師をバカにしたドラマ」
マユツバだが、視聴率のためなのだろう。