羽生結弦を巡る“チケット配給中止事件”の複雑過ぎる大人の事情

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旅行代理店の些細なミスが羽生結弦を傷つけてしまった。〝事件〟が起きたのは、5月10日早朝。神戸ワールド記念ホールで開催されるアイスショーの『ファンタジー・オン・アイス2019』に関する問い合わせが、神戸市内の某旅行代理店に殺到した。

「羽生クンが出演するって本当ですか?」

同アイスショーのチケットは、4月半ばから販売されていた。観光バスを出して会場まで行けるという、ごく普通の鑑賞チケットだった。ところが、である。5月10日早朝、その鑑賞ツアーのPRページが更新され、出演者欄に「羽生結弦」が書き加えられた。

同アイスショーのチケットを扱う他の代理店には、羽生の名前はない。だから、「本当ですか?」の問い合わせが殺到したのだ。

「羽生の出演が正式に決まったのは、GW前後だと聞いています。今年3月の世界選手権でも苦しんだ右足首の故障のためです。シーズン終了と同時に治療に入る予定だったので、アイスショー出演の確約ができなかったんです」(スポーツ協会詰め記者)

 

“オトナの事情”にファン困惑

かくして羽生出演が決まった。しかし、「世界の羽生」には肖像権管理などで、たくさんの人が関わっている。ショーのパンフレット製作にしても、羽生が出るとなればトップ扱いは必至だが、〝二番手以降の格付け〟にも気を配らなければならない。彼らも同じように肖像権等が複雑に絡んでおり、その調整がいろいろと難しいのだ。

こうしたオトナの事情を整理するため、羽生出演の告知解禁は5月10日18時以降と通達されていた。

前述の神戸市内の代理店は間違って告知をフライング。結果、「オタクにはチケットを回さない」と、大会主催側から通達されてしまった。

同社は謝罪。申し込み者全員に払い戻しもし、お詫びに数千円相当の金券を添えたという。

「羽生はファンを大事にしています。羽生本人にこのアクシデントが伝わっていたら、違う方向で決着がついたと思いますけどね…」(同・記者)

羽生は故障を心配するファンのため、今、演技の完成度を高めている。ファンには罪はない、今回のチケット騒動は、アイスショーの主催側と羽生の間にヘンな距離感があることを露呈させたようだ。

 

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