南野陽子の“初脱ぎ&ちぃパイ”が衝撃的! 降旗康男監督を偲ぶ『寒椿』

映画『寒椿』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『寒椿』

東映 1992年 DVD発売中
監督/降旗康男
出演/南野陽子、西田敏行、高嶋政宏、藤真利子、かたせ梨乃ほか

大ベテランの映画監督、降旗康男氏が5月20日、肺炎のため死去した。享年84。以前、CSの東映チャンネルの〝降旗監督特集〟の際にインタビューさせていただいたのだが、とても温厚な方だった。東大出身で、別に映画を強くやりたい、というわけではなく、就職難だったので、当時、住友銀行の副頭取が親戚にいて、「コネ入社だったんですよ」と苦笑いしながら、秘話を教えてくれたっけ。そこに人の良さを感じた。

〝時代劇の東映〟に入社しながら、「ボクはチャンバラは嫌いです」と上司に平気で言っていたので、結構、干されたそうだ。一般的には高倉健映画の名匠として知られているが、追悼には、南野陽子の〝初脱ぎ〟映画を、ボクとしては選びたい。

昭和初期の土佐・高知。女衒の岩伍(西田敏行)は、親の借金で売られた貞子(南野陽子)の世話をする。牡丹という源氏名で売れっ子になった彼女は、ヤクザたちの陰謀に巻き込まれ、力士くずれの侠客・仁王山(高嶋政宏)と出会う…。

 

南野陽子「この胸でありがとう、と思いました」

宮尾登美子原作の『鬼龍院花子の生涯』などに続くいわゆる〝土佐もの〟の1本。最近は不肖の夫の後始末で大変な南野陽子だが、この当時はアイドル路線から本格女優へのスライドを果たすため〝汚れ役〟〝初ヌード〟という2つの試練に挑んだのだ。初座敷の際、若旦那に〝買われる〟シーンがせつない。胸を隠そうと抵抗する南野の手が払いのけられ、全裸にされるシーンは生唾ものだった。

牡丹を盲愛する力士くずれの侠客を演じた高嶋政宏は、最近ではSMプレイが趣味という個人的嗜好を公言し、勇気ある〝変態紳士〟という称号を受けている。そう刷り込んで、あらためて2人の濡れ場を鑑賞すると興奮度も2倍かな? 南野を海辺の粗末な小屋に監禁し、荒々しく衣服を脱がし、両の乳房に顔を埋める荒技を披露する。このころから〝変態紳士〟の一端が…なんてことはないだろうけど。

それにしても、南野の乳首がツンと立つあたりが素晴らしい! ところで、彼女の胸は、どちらかというと〝微乳〟、悪く言えば〝貧乳〟だが、この当時、彼女にインタビューしたことがあり、脱ぎのシーンについても遠慮なく聞いたのだが、とても堂々と答えていて清々しかった。「牡丹が豊満な胸だったら、はかなげな感じが出なかったと思います。この胸でありがとう、と思いました」とは、〝神返答〟ではないか。

南野・高嶋の濡れ場を鑑賞しながら、降旗監督の追悼をするのも私なりの手向けと受け取っていただければ幸いです。天国で監督は苦笑いしているかもしれないが…。

 

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