“尻軽ビッチ女”が誕生日に何度も殺されるタイムループ・ホラー『ハッピー・デス・デイ』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『ハッピー・デス・デイ』

配給/東宝東和 TOHOシネマズほかにて全国公開
監督/クリストファー・ランドン
出演/ジェシカ・ロース、ルビー・モディーンほか

ホラー映画の定番といえば『13日の金曜日』シリーズ(80年~)の昔から、真っ先に殺されるタイプは、キャンプ地や部屋で男と熱戦真っ最中の〝尻軽ビッチ〟なお下品美人(たいていパツキン)と相場が決まっていた。この映画は、その第一犠牲者がお役御免とならず、何度もタイムループしてまた同日に毎回殺される無間地獄をさまよったら、どーなる? という不条理なB級ホラー。その着想、実験的精神が面白いのだが、決して小難しくないのでご安心を。

奔放な女子大生ツリー(ジェシカ・ロース)は、二日酔いの頭痛とともに目を覚ます。どうやら今回も見知らぬ学生と一夜をともにしたようだが、誕生日だったその日の夜、彼女は殺人鬼に殺されてしまうが、目を覚ますとまた誕生日の朝、その繰り返しの中、彼女は発狂寸前になりながらも、コトの真相を追うが…。

 

連続公開される続編では科学的検証も

殺されるたびに「もう嫌っ、こんなの」と苦悶する彼女に、ボクも珍しくサドっ気全開で妄想三昧となった。もう地獄の鬼気分で、この〝時をかけるパツキン〟を言葉責め。「お前がパコパコと尻軽にヤリまくった罰じゃ。汝、姦淫することなかれ。さあ、もっと苦しめ、もっと悲鳴を上げろ!」ってね。演じるパツキン女優、ジェシカ・ロースがたまらないほど適材適所。エロスと絶叫を惜しみなく提供し、カラミのシーンでもグラマラスな姿態をさらす。名前はロースだが、もはやカルビかハラミ状態の肉付きで、タレ付けてゴチしたい。もう極上ジェシカ・カルビ(?)と呼びたいほど。彼女、コメディエンヌの資質も大いにありだ。

この映画、すでに続編が7月12日から連続公開される予定で、こちらもすでに試写を見た。まあホラー映画がシリーズ化されるのは珍しいことではないが、このパート2『ハッピー・デス・ディ2U』は、ホラー映画では異例中の異例の科学的検証編。あの〝死のタイムループ〟がいかにして起こったか、を描くSF調ホラーに転じるのだから掟破り。もちろん、ジェシカ・カルビ、じゃなかったロースちゃんは連続登板だが、実質主役はパート1では単に脇役にすぎなかった人物が活躍するのも常識破り。さらには青春映画的な作りもブチ込まれで油断ならない。うっかり感動するところだった!

何かと定番メニューに陥りがちなホラー映画のジャンルを、斬新な〝黒板メニュー〟として創意工夫を施しているのが何より。ネタはうまいぞ、ネーちゃんはキレイだ。そんな隠れたお店を見つけたときに似て、得した気分にさせる掘り出し物だ!

 

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Aleksandr Rybalko / Shutterstock

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