全裸ヌード奴隷妻を監視する変態ストーカー青年の狂気『アンダー・ユア・ベッド』

アンダー・ユア・ベッド 

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『アンダー・ユア・ベッド』

配給/KADOKAWA テアトル新宿ほかにて全国公開
監督/安里麻里
出演/高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔ほか

KADOKAWAが新たに企画した〝ハイテンション・ムービー・プロジェクト〟は、春の第1弾『殺人鬼を飼う女』が多重人格美女を描いて刺激的だったが、第2弾となるこの新作も〝ストーカー男とDV奴隷妻〟を描いて、負けず劣らずテンションが高い。エロスもバイオレンスもリミッターなし、というモットーに恥じない。映画は刺激物、と信じているボクは、この企画に乗った!

大学時代、唯一自分に良くしてくれた千尋(西川可奈子)という女性が忘れられな孤独な青年・三井(高良健吾)は、すでに結婚していると知った彼女の現状を知りたくて、自宅を捜し出し〝監視〟する。すると彼女は、夫から激しいDVを受け、奴隷同然の地獄の毎日を送っていたのだった…。

 

ヒロインの被虐演技がすごい!

アンダー・ユア・ベッド…題名通り、彼女が住む家のベッドの下に〝虫のように〟忍び込む高良のストーカー演技もすごいが、西川可奈子の被虐演技もまたすごい。大学時代のハツラツとした憧れのキミの姿とはほど遠く、ただただ、いつ爆発するとも知れぬ夫の暴力にじっと堪え、傷だらけの体を折り曲げるように日々を過ごしている変わり果てた現状に、彼女が幸せだったら、そのままそっと立ち去るはずだった青年が衝撃を受けるのも無理はない。何しろ、寝室で夫に命じられ、おっぱいもヘアも丸出しの状態で直立不動させられる。さらに、ベッドに座る夫に「早くしろ、このドブス!」と容赦ない怒声を浴びせられ、涙ながらに股間に顔を埋めて、口淫奉仕をさせられる。ベッド下で息を潜める高良、ベッドの上や横で辱められる西川の対比が、映像的にもサスペンスフル。ちなみに、この非情の夫役は競輪選手を演じた『ガチ星』(18年)の安部賢一で、憎々しいほどの適役だった。

西川の被虐演技はまだまだ続く。今度は夫に風呂場に連れ込まれ、全裸のまま、執拗に〝水責め〟されたりする。「すみません、すみません」と何度も謝る彼女の姿が痛々しいの何の。女性監督・安里麻里の演出は、そんじょそこらの男性監督よりはるかに過激で容赦ない。それに応える西川の被虐演技も迫真なのだ。

彼女は『私は絶対許さない』(18年)では、地方都市のオオカミ野郎どもに〝輪姦〟されるヒロインを演じており、すっかり〝受難のヒロイン〟が板についてきた。このままじゃあ〝被虐女優〟として定着してしまうんじゃないか? と余計な心配をしてしまうほど。まあ、それもアリか。

 

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