この秋、東京では数々の“聖地”が消滅しようとしている。
まずは8月いっぱいで閉館した港区虎ノ門の『ホテルオークラ(本館)』。ジョン・レノン、マイケル・ジャクソン、ダイアナ妃、レーガン&オバマ米大統領など世界のVIPが滞在したまさに日本を代表するホテルだった。閉館・解体が発表されると日本人だけでなく、世界中の利用客からも惜しまれ、最後の営業日となった8月31日にはロビーで「フィナーレコンサート」が開かれ、53年間の営業に幕を閉じた。
「オークラは前回の東京五輪前の1962年に開業、“日本の美”を強調してきましたが、老朽化と2020年の五輪需要を見据えて、建て替えを決定、19年に41階建ての高層ホテルに生まれ変わる予定です」(レジャーライター・福原田一緒氏)
新橋の50代サラリーマンはオークラへの憧れをこう語る。
「パーティーで何回か利用したことはありましたけど、他のホテルと違って格式を感じました。願わくば、デートで泊まりたかったんですけどね(笑)」
もっとも73年にオープンした新館は今後も営業を続けるので、お泊りはまだ大丈夫のようだ。