台風接近バーベキュー“被災者”に浴びせられる「バカの自己責任」の声

(C)DenisNata / Shutterstock

夏休みもいよいよ後半に突入したが、今年も全国各地で水難事故が相次いでいる。8月14日には大分県玖珠町の渓谷付近で車が水没して動けなくなったと通報があり、乳児を含む18人が孤立状態になっていたが、その後、警察により無事発見され、全員救出された。

この現場はオフロードバイクやオフロード車乗りのメッカとして有名で、YouTubeには川の中をジムニーなどの4輪駆動車が激走する動画が多数アップされている。18人は6台の車に分乗し、現地を訪れていたという。

「台風が接近し、水かさが増している中でバーベキューを決行し、その揚げ句、車を水没させ身動きが取れなくなったことで、ネット上では救助を求めた18人を猛烈に非難する声が広がっています。川の水はちょっとした降雨で急激に上昇します。乳児までいるのに、なぜもっと早くに撤収しなかったのか…。死亡事故につながらなくて本当に良かったですよ」(地元紙記者)

確かに、ネット上では、

《バカが勝手に取り残されるのは自己責任。むしろ救出活動をしている人たちの二次被害を心配するわ》
《毎年、必ずこういうヤツ出てくるな。台風時期に水辺でBBQとかあり得ないだろ》
《毎年恒例、DQNの川流れですね》
《こういう奴らは全員氏名を公表すればいいんだよ。恥をさらすことで抑止力が高まるだろ》

など、厳しい意見のオンパレードだ。

 

灯籠流しとともにバカが流れる

さらに、今回のニュースを受け、20年前の同じ8月14日に神奈川県足柄上郡山北町の玄倉川で発生した〝玄倉川水難事故〟を思い出す声が広がっている。この事故は玄倉川の中洲でキャンプをしていた横浜市内の産業廃棄物処理会社の社員と家族18人が増水により流され、社員5名と妻2名、1歳から9歳の子ども4名、社員が連れてきた女性2名の13名が死亡するという凄惨なものだった。

「この事故では、ダム管理職員、警察が何度も中洲から退避するよう勧告しましたが、18人のメンバーは『放っておいてくれ、楽しんでるんだよ』『地元の人は臆病者』などとからかい半分で、聞く耳を持ちませんでした。翌日には、危険を感じ前夜に撤収したメンバーが残っている仲間に避難するよう呼び掛けましたが、彼らはそれも無視。結局、最後は濁流に流されてしまいました。マスコミ各社が現場の様子を中継し、遭難者が流されるシーンを繰り返し放送したことで、世間に大きな衝撃を与えました。メンバーの1人は救助を待つ間にも『ヘリを出せ!早く助けろ!お前らの仕事だろ!』と暴言を吐き続けていたことで、事故後も一切、同情の声が上がることはありませんでしたね」(地元紙記者)

玄倉川水難事故が起きてから、ネット上ではことわざの〝河童の川流れ〟をもじって〝DQN(ドキュン)の川流れ〟という言葉が生まれた。水辺は常に危険と隣り合わせであることを忘れてはならない。過去に起きた悲惨な事故を教訓に、くれぐれも万全の注意を払ってほしいものだ。

 

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