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羽生結弦の19-20シーズンが始まった。初戦のオータムクラシックを優勝で飾り、幸先の良いスタートを切ったが、ヘンなプレッシャーもかかっていたようだ。
「今オフは恒例の公開練習がありませんでした。プログラム曲、ジャンプ構成などが全く分からなかったので、初戦に臨む羽生への注目度は高いものでした」(スポーツ紙記者)
羽生が感じていたプレッシャーとは、この程度のことではない。
《羽生結弦は決して現状に満足しないフィギュアスケーターの完璧な例だ》
《氷のプリンス羽生結弦は常に不可能を押し進め、新境地を開く》
確かに彼はスゴイが、ここまでヨイショされたら、逆にキモチ悪いのでは? しかも、この羽生を〝神格化〟するようなヨイショ記事を出したのは、五輪公式メディア・オリンピックチャンネルなのだ。
タイトルは「新シーズンを前にモチベーションをあらわにした」で、書き出しは、「羽生結弦の氷の帝国が待ち構えている」だった。
「昨季は故障で不本意なシーズンとなってしまいました。世界選手権で優勝したのは米国のネイサン・チェンでしたが、世界中の注目は羽生の復活。故障した右足首のダメージがどこまで回復しているかが最大の関心事なので、そういうトーンになったのだと思います」(同・記者)
とりあえず褒めとけのスタンスか
五輪公式チャンネルが特定の選手をここまでヨイショしていいものかも疑問だが、おそらく、恒例の公開練習を行わなかった影響だろう。4回転ジャンプへの意気込みについては、《カリスマ的で、謎めいたスケートのメガ・スター》と称して期待論を並べていた。
「まあ、他に書くことがなかったのかもしれません。初戦となったオータムクラシックですが、4回転ループ、4回転サルコーともに着地が乱れました。課題を残しての優勝という厳しい見方をした海外メディアもありました」(テレビ局スポーツ部員)
冷静な結果を報道をしたメディアが悪者になってしまった感もないではない。神格化したような文言が五輪公式チャンネルに出たことで、キョーレツな重圧に苦しめられることにならなければいいのだが…。
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