女優・瀬戸かほ“大胆初ヌード”が話題のR18+映画『愛の小さな歴史』

愛の小さな歴史 

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『愛の小さな歴史』

配給/コピアポア・フィルム 新宿K’s cinemaほかにて公開
監督/越川道夫
出演/瀬戸かほ、深水元基、山田キヌヲ、縄田かのん、宇野祥平ほか

越川道夫監督は、山田真歩の『アレノ』(15年)でデビュー以来、満島ひかりの『海辺の生と死』(17年)、黒川芽以の『二十六夜待ち』(17年)など、命ぎりぎりの状況の中で男女の不確かな情愛を濃密に描いてきた作家で、ヒロインのエロスも抜かりなく発揮させているところもうれしい限り。今回も、のっぴきならない男女のお話だ。

まだ24歳のユリ(瀬戸かほ)は、小さな古本屋を営む一回り年上の夫、トモさん(宇野翔平)と暮らしている。トモさんの幼なじみのリュウタ(深水元基)は、疎遠だった父が亡くなり、遺品整理する書籍をトモさんに買い取ってもらう。実は、初めて会ったときから、ユリはリュウタに抱かれたいと願っていた…。

ヒロインの瀬戸は、モデルやインディペンデント系作品にここ数年何本か出演している新進女優で、今年26歳。化粧っけのないナチュラル美人で、人生に疲弊し、いつ死んでもいいと思ったから、一回り離れた一見冴えない古本屋と一緒になったが、別に恋しているわけではない…という一風変わった設定によく似合う。相手役の宇野翔平は、秋葉原襲撃事件を題材にした『ぼっちゃん』(13年)や在日ファミリーのたくましさを描いた『焼肉ドラゴン』(18年)などの個性派男優だ。今回は心臓の持病がある中年男の役で、車の事故で死亡した前妻を思い出す一方、ユリがいつか自分から離れることに脅えている、という複雑な役柄に血肉を通わす。

 

展開はスリリングだが…

お互い、死の淵をどこか覗いているような2人だが、スルことはスル。この描写が越川演出らしく、かなりねちっこい。濡れ場では実に自然にスルリと脱ぐ瀬戸。スレンダーな彼女の全裸に、ハゲ上がりの宇野のずんぐりとした体駆が重なる。「草や花のように触ってください…」と懇願する瀬戸が鼻水たらすような感じでわななくあたりが妙にリアル。「心臓に悪い」と思いつつも、若い女性の裸体を愛おしむようにナメ回し、おっぱいを指で転がし、対面座位や女性上位気味にカラむのだ。

そんな危うい〝夫婦〟の前に、もう1人の男が現れた後の化学反応やいかに? という展開はスリリングなのだが、クライマックスの15分ぐらいから少し雲行きが怪しくなってくるのはどういうわけか…。

宇野が急に暴力的になるのも納得いかないし、ヒロインの主体性が薄れてゆくのも不満。具体的なネタばらしは避けるが、道川作品にしては珍しく画竜点睛を欠いているなあ、と思うのだが、いかがか。

 

【画像】

xiuren..Click.Here…FREE / Shutterstock

【あわせて読みたい】