伊調馨の国民栄誉賞受賞をきっかけにレスリングのマイナー競技からの脱却を

これと前後してレスリング協会が発表したのが、吉田沙保里(33)の代表コーチ兼任での現役続行だ。

吉田と伊調の二枚看板で、東京五輪の女子レスリングを盛り上げていこうという思惑があるようだが、両者の年齢から「吉田の金メダル奪回と伊調の5連覇は厳しいのでは?」という声も、当然ながら出始めている。

「吉田への代表コーチ就任要請は、リオ五輪の現地で行われていましたた。金メダルを逃した直後に、吉田が現役続行かどうかを記者団に質問され、曖昧な返答しかしませんでしたが、吉田本人の中には、リオでの引退という選択肢もあったようです」(同)

リオでの敗北が、逆に引退に傾きかけていた吉田を引き止めたとも言えそうだ。しかし、その吉田に4年後の東京大会での勝機があるかと聞かれれば、簡単にあるとは言えない。

「吉田を破ったヘレン・マルーリス(25=アメリカ)は25歳。それ以外にも世界では若い選手が育っています」(同)

吉田は復帰戦を決めていない。伊調も同様で、当面は無期限の休養に入り、五輪で酷使した体を休めるという。

「レスリング協会は、伊調の国民栄誉賞受賞が決まったとき、『吉田、伊調の冠大会ができれば』と話していました。レスリングはジュニア世代の選手人口が少ないマイナーな競技であり、まだまだ吉田と伊調の名前を生かしていなければ、その域から脱することはできません」(関係者)