二階堂ふみ“女性のアノ日”をダイレクトに具現化したヤバネタ喜劇『生理ちゃん』

生理ちゃん 

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『生理ちゃん』

配給/よしもとクリエイティブ・エージェンシー ヒューマントラスト渋谷ほかにて公開
監督/品田俊介
出演/二階堂ふみ、伊藤沙莉、岡田義徳、松風理咲、須藤蓮ほか

今年、ブットビの『翔んで埼玉』、脱ぎ脱ぎの『人間失格 太宰治と3人の女たち』と、今や怖いもんナシの〝最強女優〟とも呼ばれる二階堂ふみが、今度は禁忌的なゾーンに足を踏み入れる。おそらく映画題名では史上初のメチャ・ダイレクトさではないだろうか。男としてはちょっと言いよどんでしまうし、女性だって言いにくいだろう。俗に〝アンネ〟とか〝月よりの使者〟とか呼ばれるツキイチのアレがテーマなのだから。共演も、こちらもなりふり構わない個性派女優・伊藤沙莉と、かなり破壊力抜群と見た。

仕事でデートをキャンセルした編集部員の青子(二階堂ふみ)のところにピンクの物体〝生理ちゃん〟がやって来る。一方、青子の会社の清掃スタッフ、りほ(伊藤沙莉)のもとにも同じく、あのピンクの物体が現れる。この煩わしいモノに付き合わざるを得ない女性たちの恋と人生やいかに…。

 

際どいセリフがボンボンと

突然訪れるブサカワなゆるキャラ〝生理ちゃん〟として具現されるツキイチの厄介な存在。動いてしゃべるずんぐり体型として擬人化されるのだが、生々しくない形で、となるとこれが精一杯か。女子としては、その〝生理ちゃん〟をリヤカーに乗っけて引いている気分…なのだそうだ。実感のない男どもには未知の領域。サブ・キャラとして男のムラムラを具現する〝性欲くん〟なんかも出て来てにぎやかだが、賛否両論あるだろう。まあ「男も1年に一度でいいから、なればいい」と劇中で言われては、ひれ伏すばかりである。直接の性描写はないが、セリフは際どいヤツがポンポン。題材が題材だけに、当然と言えば当然か。

年上子連れカレ氏との恋路がなかなか先に進まない青子の心情を二階堂が、仕事以外引きこもり気味で自分を呪っているりほの内面を伊藤が巧みに演じている。2人を対比させる形で、このヤバネタに果敢に挑んだのは、てっきり女性スタッフたち…と思ったら、原作・小山健も、監督・品田俊介も、脚本・赤松新も男性のようだ。かなり意外や意外だが、こういうデリケート・ゾーンに踏み込んだ彼らの暴挙、いや蛮勇を称えたい。そして、この〝取り扱い注意〟なテーマが、意外とカラリとした異色コメディーに仕上ったのは、2人のヒロインのお手柄と言えるだろう。

劇場の窓口で「生理ちゃん1枚」と言うのはかなり勇気がいるが、その一線を超えると、引きつる笑いとともに男性には未知の世界が待っている、はず。

 

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