“オヤジ殺し”玉城ティナと“妖艶熟女”橋本マナミとのエロス共演ホラー!『地獄少女』

地獄少女 

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『地獄少女』

配給/ギャガ 新宿バルト9ほかにて公開
監督/白石晃士
出演/玉城ティナ、橋本マナミ、楽駆、森七菜、麿赤兒ほか

若手女優の中で玉城ティナは今秋、『惡の華』に続いて、この新作と主演作が2本続いた。ともにダーク・ヒロインとして余人を持って替えがたい雰囲気を醸し出し、一線を画している。まあ、今後この手のばかりが続いてもイメージが固定化されて困るのだろうが、今はここで闘え! とエールを送りたい。

夜中の0時にのみ開く闇サイト〝地獄通信〟。アクセスして、憎い相手の名を入力すると恨みを晴らしてくれるという。そんな都市伝説がまん延する女子高生グループになじめぬ美保(森七菜)は、ライブで知り合った遥(仁村紗和)が、あるカリスマ・アーチストの生け贄にされそうなことを知る。意を決して〝地獄通信〟にアクセスした美保の前に、地獄少女・閻魔あい(玉城ティナ)が現れる…。

 

キメ台詞「いっぺん、死んでみる?」が耳から離れない

前作『惡の華』ではサディスティックな問題児、今回は地獄の使い。切れ長の目、氷の美貌、切りそろえた前髪、黒地の着物で現れ、半端ない無常感を漂わせている彼女は、アニメ原作のヒロイン〝閻魔あい〟そのもの、ってアニメには疎い僕は原作を見ていないが、パチンコ台『地獄少女』は打ったことがあるから、知っているぞ。

この閻魔あいの従者がまた強烈なキャラクターで、ストーリーを盛り上げている。和服の老人姿で、怒れる妖怪〝輪入道〟を演じるのは超ベテランの麿赤兒。もともと前衛舞踏の彼だけに、こういうコワモテは実に似合う。そして、妖艶な美女で男を誘惑する〝骨女〟役には、ごひいき橋本マナミ。『光』(17年)で、肉体労働者(瑛太)相手に、くんずほぐれつの〝真昼の情事〟を繰り広げる不倫妻役がエロかった。今回は〝脱ぎ〟こそないが、やはりセクシー。さすが、ビートたけしの愛人が現場介入し、たけしとの共演をNGにさせた、と週刊誌報道があった元祖〝愛人にしたい女優〟だけのことはある。

恨みを晴らした後は、依頼者にも恐ろしい代償が待っている、という因果応報的なシステムでも〝閻魔あい〟の個性が再び発揮される、というわけ。劇中、独特の口調で彼女が言い放つ文字通りの〝殺し文句〟「いっぺん、死んでみる?」が耳から離れない。玉城によると本来は低く発音するはずの「死んでみる?」を、顔は動かさず、高く発音することで、独特の抑揚のキメ台詞感を出したそうだ。『貞子VS伽椰子』(16年)でも彼女と組んだ白石晃士監督だけにツボを心得ており、アニメ原作ホラーとはいえ、大人も楽しめる一編となった。当然、続編もアリだろう。

 

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DKai / Shutterstock

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