たぬかな炎上の理由は暴言ではない? 差別被害者としての“低身長男性”

たぬかな炎上の理由は暴言ではない? 差別被害者としての“低身長男性”

たぬかな炎上の理由は暴言ではない? 差別被害者としての“低身長男性” (C)PIXTA

ここ数年でも珍しいほどの注目を浴びている、元プロゲーマー・たぬかなの炎上騒動。一体なぜこの話題は人の心を惹きつけてやまないのだろうか。騒動の背景に何が隠されているのか、紐解いていこう。

ゲーマー用語としての「人権」

今回の騒動をざっと振り返ると、たぬかなが配信上で放った発言がすべての発端だった。それは「165cmはちっちゃいね、ダメです」「170cmないと正直人権ないんで、170cmない方は『俺って人権ないんだ』って思いながら生きていってください。骨延長の手術を検討してください」という内容で、170cm以下の男性への“差別発言”として問題視されている。

とくに人々が反応しているのは、「人権」というワード。過去にたぬかなは「Aカップに人権はない」などとも発言しており、普段から良く使っている言い回しのようだ。

ただ、彼女が活動しているゲーム界隈では「人権」という言葉が広く使われていたという事情も。たとえばソーシャルゲームで攻略に必須のキャラクターは、「人権キャラ」などと呼ばれることもある。おそらくたぬかなも憲法で保障されている“人権”ではなく、ゲーム界隈のスラングを口にしただけなのだろう。

そのため、おそらくたぬかなが炎上した理由の本質は「人権」云々ではない。一般人はともかく、ゲーマーやネットユーザーたちがネタをネタと分からないはずもないからだ。

たぬかなが炎上した一番の理由

今回の炎上騒動では、たぬかなと同じ『CYCLOPS athlete gaming』というチームに所属する選手やマネージャーの過去も掘り返されていた。

たとえばプロゲーマー兼マネージャーのKbaton氏は、ツイッター上で《高田馬場の(コンプラ)ども》《どうぶつの森の村って(コンプラ)の隔離施設かと思うくらい(コンプラ)な村民しかいないよなw》と過激発言を繰り返していたことが発覚し、チームから契約を解除されている。

しかし逆に言えば、それほど多くの問題発言を繰り返してきたにもかかわらず、今までは炎上してこなかった。つまり炎上の本質は「人権」というワードでも、プロゲーマーにありがちな“過激な身内ノリ”でもないということだ。

おそらく今回たぬかなが異例だったのは、“170cm以下の男性”を敵に回したことだと思われる。実際に炎上するまでの経緯を見てみると、某巨大ネット掲示板にたぬかなに関するスレが立ち続け、彼女を燃やそうとする人が続出していた。さらにニュースなどで発言が拡散されると、発言に傷ついた人々が次々と参戦し、結局は所属チームから解雇されるほどの大事になっている。

これまでネット上ではさまざまなレッテル張りによる差別や論争が巻き起こってきたが、 たぬかなのようなストレートな“低身長煽り”はあまり目立つことがなかった。だからこそ、多くの人々に衝撃を与えたのではないだろうか。

いわば今回の騒動は、170cm以下の男性たちによる「#MeToo運動」のような側面があったのかもしれない…。

文=大上賢一

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LustreArt / PIXTA

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