『のだめカンタービレ』新装版で異例の修正! セクハラ描写が消えたワケとは

『のだめカンタービレ』新装版で異例の修正! セクハラ描写が消えたワケとは

『のだめカンタービレ』新装版で異例の修正! セクハラ描写が消えたワケとは(C)PIXTA

多方面に配慮した表現が求められる、ポリティカルコレクトネス全盛の昨今。2021年9月から新装版コミックスが発売されている『のだめカンタービレ』に関しても、とある修正が加えられ読者を驚かせている。

『のだめ』がセクハラ描写を修正

「のだめカンタービレ」は、指揮者を目指す千秋真一と、天才肌のピアニスト“のだめ”こと野田恵によるラブコメ作品。原作漫画は累計発行部数3870万部を突破し、アニメ・ドラマでも大ヒットを記録している。

そんな同作の新装版コミックスで、第61話に変更されている箇所があった。それはのだめと、女性に対してスキンシップが過剰な世界的指揮者、フランツ・フォン・シュトレーゼマンのパリでの1シーンだ。

修正前は、のだめがシュトレーゼマンに後ろから抱き着かれ、両手で胸を鷲掴みにされている描写。これが新装版では胸に触れておらず、ただ抱き着くだけに変更されている。

あくまでギャグシーンなのだが、今の価値観ではセクハラとして読者がお気持ちを表明してもおかしくない部分。この変更を歓迎するファンは多いようで、《時代と自分の感性に合わせて作家さん自身が直していくのいいな》《今の感覚を持たれているからこそ、現役の作家様なのでしょうね》《作家としてこういう感覚を持ち合わせているのは素敵だと思う》と、絶賛の声が寄せられていた。

一部では修正に文句を言う人も…

ちなみにセクハラシーンの修正について、作者の二ノ宮知子はツイッター上で《久々に見たら、自分が引いたので、ちょっと直しましたよ》とコメントしている。どうやら編集部や読者などに強制されて直したのではなく、作者自身の判断で修正を施したらしい。

しかし他方で、現代的な価値観に合わせて昔の作品を修正することを、かたくなに認めない人々も多い。今回の修正についても、《後ろから抱きついた程度のおじさんをボコボコにする事には引かないんですね。実に女様って感じだ》《キャパ狭い人が他人の心を動かすことも少ないだろうし、お上品に生きていってくだされ》と皮肉めいた苦言をもらすネットユーザーが現れていた。

こうした揶揄はさすがにバランスを欠いているが、原作ファンの中にも“物語の破綻”を気にする人がいるようだ。シュトレーゼマンというキャラクターにとって、過剰なスキンシップが1つの個性だったため、修正によって「ブレてしまう」という意見が上がっている。

また、セクハラを受けた後に、のだめがシュトレーゼマンをボコボコにするシーンは修正前後で変わっていない。そのため、抱き着くだけで暴力を振るわれていることになり、不自然だ…といった指摘も。

とはいえ今回の修正は、生みの親である作者の判断によって着手されたもの。“ポリコレ”がらみだからといって過剰反応せず、最大限理解を示すべきではないだろうか。

文=野木

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