
ジャンプ本誌で掲載禁止に!?『あやトラ』は打ち切りかそれとも… (C)PIXTA
『週刊少年ジャンプ』で連載中のラブコメ『あやかしトライアングル』が、『ジャンプ+』へと移籍することが発表された。より表現の幅が広がる環境への栄転を喜ぶ声が上がっているが、“左遷”と感じずにはいられないファンもいるようだ。
ジャンプラ移籍でダークネス解禁?
「あやかしトライアングル」は、『To LOVEる -とらぶる-』や『BLACK CAT』で知られる矢吹健太朗の最新作。妖術で女性に性転換した元男・風巻祭里を主人公に、幼馴染み・花奏すずとの恋模様が描かれてきた。
お色気が売りで、回を重ねるにつれセクシーな描写に拍車がかかっていたところだが、4月18日発売の「ジャンプ」20号で誌面での連載は終了。4月25日からは、「ジャンプ+」に移籍して連載が続行されるという。
— 矢吹健太朗 Info (@yabuki_info) April 18, 2022
矢吹の漫画が連載中に移籍するのは、今回で2回目。代表作の「To LOVEる」も、月刊誌への移籍で「To LOVEる -とらぶる- ダークネス」と名をあらため、青年誌級の過激な恋愛模様を繰り広げたことがあった。
「あやかしトライアングル」の移籍も過激描写の解放を匂わせており、誌面にて矢吹は「いろんな事情でやりづらかったあんな話やこんな話もやっていきます」「すずのダークネスがもう抑えきれない」とコメントしている。
「ジャンプ+」が年齢別レーティング「17歳以上」のアプリであることから、ファンたちは《これはつまり…リミッター解除って事ですね?》《矢吹先生にとってはようやく自分の本領発揮出来る地へと帰ってきたってイメージしかない》《ジャンプ+なら表現がもう少し自由になるかなという期待もあるw》と心を躍らせているようだ。
折衷案による“左遷”説
しかし「あやかしトライアングル」の移籍について、「ジャンプ」本誌での実質的な“打ち切り”と捉える人も少なくない。人気と掲載順が連動する本誌において、同作はほとんど後半のポジションに常駐。約2年の連載でワースト5位以内に何度も入っており、2022年1号でも最下位だった。
そもそも「ジャンプ」は、人気がなければベテラン漫画家でも容赦なく切る方針で有名。しかし「あやかしトライアングル」はアニメ化が決定しているため、放映前に原作を打ち切るわけにもいかず、妥協案で移籍したのではないか…とも邪推されている。
また、左遷の背景として、お色気要素が強い漫画を「性的搾取」と批判する昨今の風潮を挙げる意見もあるようだ。
いろいろな憶測はあるが、矢吹は漫画家歴20年以上で、年齢はもう40歳以上。移籍後は身体を労わりつつ、無理のないペースで連載を続けてほしい。
文=野木
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