
『Apex』世界大会でアジア差別!? 日本&韓国チームのファンが激怒した理由 (C)PIXTA
4月29日から 5月1日にかけて、FPSゲーム『Apex Legends』の世界大会がスウェーデン・ストックホルムで開催。世界を熱狂させるeスポーツの祭典になるはずが、さまざまなトラブルの結果、“アジア差別”を疑う声が上がってしまった。
本配信のカメラに映らない日韓チーム
今回開催された『Apex Legends Global Series Year2』スプリット2のプレイオフでは、各地域のプロリーグを勝ち抜いてきたチームが集結。世界の頂点に立つべく、オフラインで競い合った。
APAC NORTH地域からは、日韓合わせて10チームが参戦。海外の有名プレイヤーたちと激戦を繰り広げた。その模様はリアルタイムで世界中に配信されたのだが、視聴者からは思わぬ不満の声が上がることに。
「Apex」は広大なマップを舞台としたバトルロイヤルゲームなので、つねにカメラが切り替わり、さまざまなチームの視点が映し出された。しかしなぜか日韓チームを映すことがほとんどなかったのだ。
戦闘に絡んでいたとしても、いきなり何もしていない海外プレイヤーの視点に飛ぶこともしばしば。日韓チームを応援していた人からは、《この大会のカメラ明らかなアジア差別よね》《ALGSアジア差別助長やばすぎだろw》《ALGSのカメラ、アジアンヘイトえぐくて笑う》《2年半待ち続けた世界大会でアジア差別サイコー!》《スポーツの世界でアジアが差別されない世界なんてないからな。まじまじと感じるわ》《本配信の日韓チーム視点少なすぎない?というかほぼない。絶対またアジアンヘイトやん。うざすぎ》と疑う声が上がってしまった。
ただの偶然? 日韓勢のトラブルが多発
また、カメラの視点よりも大きなトラブルも火種に。プレイオフ初日、「αDRaccoon」として出場した韓国プレイヤー・KaronPeが、8回ものPCトラブルに見舞われてしまったという。プレイ中に回線が切断され、実質的にメンバーが欠けた状態で戦うことを強いられる場面もあった。
ゲームができなかった。8回もゲームが壊れた。
게임을 할 수가 없네 8번이나 게임 튕기고 슬프다😡— KaronPe (@KaronPe_APL) April 29, 2022
他の地域ではPCトラブルがほとんど見られない中、同日には日本代表にも同じような事態が発生。さらには3日目、優勝をかけたファイナルマッチの一戦で、好調だった日本チーム「GameWith」の2人がPCトラブルに見舞われ、そのまま敗北してしまう。
おそらくは単なる偶然だろうが、あまりにタイミングが悪く、日韓勢だけが被害に遭っていることから思わず熱くなるファンも。《意図的にアジアのPC落としてる説ある?》《なんかアジアの優勝候補チーム落ちてね?》とますます差別を疑う声が上がってしまった。
たとえ意図的なものではなかったとしても、PCトラブルが世界大会において発生するのは言語道断。運営が用意した機材であり、オフライン回線でつないでいるため、本来は起こりえない事態だ。批判が上がるのも当然ではあるだろう。
カメラで日韓プレイヤーの視点を抜かなかったのも、本配信が海外向けを想定していただけで、悪意があったわけではないのかもしれない。しかしそれにしても、特定地域を優遇するようなカメラワークでいいのかどうかは、議論の余地がある。
そもそも「Apex」は何かと反差別のメッセージを打ち出しており、ゲーム内で「ストップアジアンヘイト」のバッジを実装したことも。その信頼を失わないためにも、公平感のある運営を目指してほしい。
文=大上賢一
【画像】
Benzoix / PIXTA