
『Apex』『レインボーシックス』モバイル化も…忘れられない『荒野行動』の悲劇 (C)PIXTA
ここ最近、『Apex Legends』や『レインボーシックス シージ』といった人気FPSゲームが、次々とモバイル版への対応をはじめている。その裏には、かつてゲームファンたちを震撼させた“PUBGパクリ騒動”の影響があるのかもしれない。
スマホユーザーを取り込みたい各社
世界中で人気を博しているバトロワFPS「Apex Legends」のモバイル版、『Apex Legends Mobile』は3月18日から事前登録を開始。2022年内のサービス開始に向け、すでに事前登録者数が1,000万人を超えるなど、上々の滑り出しを見せている。
また、「レインボーシックス シージ」をモバイルアプリ化した『レインボーシックス モバイル』も、4月5日に正式発表。本家「シージ」と同じく、5対5の戦略性にあふれる戦いを楽しめるという。こちらも、2022年内の配信開始を予定しているとのことだ。
いずれもeスポーツとして定着しているほどの硬派なFPSタイトルだが、モバイル版の展開によって、よりライトなユーザーを増やす目論見があるのかもしれない。また、それとは別に思い出されるのは、かつて『PUBG:BATTLEGROUNDS』(PUBG)を襲った“大失敗”の過去だろう。
モバイルFPSの覇権を横取りしたゲーム
「PUBG」は、韓国のメーカーが2017年にリリースしたゲーム。世界的な大ヒットを記録し、その後の「バトロワFPSブーム」の火付け役となったことでも知られている。
しかしそんな同作のヒットを受けて、中国の『NetEase Games』というメーカーが、“丸パクリ”としか言えないタイトルを制作。それがiOS・Android向けシューティングゲーム『荒野行動』だ。
当時、「PUBG」はPCでしかプレイできなかったこともあり、ライトユーザーたちは手軽にスマートフォンでバトロワを楽しめる「荒野行動」に殺到。その後、2018年に「PUBG」側は「荒野行動」を著作権侵害などで告訴し、「荒野行動」の配信停止を要求。一方で「NetEase」は、「PUBG」がバトロワというジャンルを独占していると反論した。最終的に、両社が和解する形で裁判は決着している。
いずれにせよ、もし「PUBG」が早期にモバイル版をリリースできていれば、ライトユーザーを奪われることもなかったはず。逆に言えば、この出来事によって他社に“パクリゲー”を作られてしまうリスクが顕在化したとも言える。
こうした「PUBG」の悲劇を経て、業界は健全化へと向かっているのかもしれない…。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
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