秤金次の本命は鹿紫雲一だった!『呪術廻戦』185話で芥見下々の“漫画力”が爆発

秤金次の本命は鹿紫雲一だった!『呪術廻戦』185話で芥見下々の“漫画力”が爆発

『呪術廻戦』19巻(芥見下々/集英社)

『呪術廻戦』といえば、先の読めない逆張り展開によって人気を博している作品。だが、5月23日発売の『週刊少年ジャンプ』25号に掲載された第185話『バイバイ』では、王道をいく熱いシーンによって読者が盛り上がっている。

※『呪術廻戦』最新話の内容に触れています

「死滅回游」にて、強敵の一角として恐れられていた鹿紫雲一(かしも・はじめ)と一騎打ちとなったパンダ。しかし実力差は歴然としており、パンダの別形態である「お兄ちゃん核」「お姉ちゃん核」をもってしても太刀打ちできなかった。

結果として、パンダは首から下の全てを失うほどの重体に。「核」は無事だったため、一命はとりとめたものの、鹿紫雲はさらにトドメを刺そうとする。絶体絶命の状況だったが、そこへ華々しく秤金次が現れる──。

秤は足場にしたコンテナをスクラップにするほどの勢いで着地し、軽口を叩きながらパンダの身を心配。まるで“ヒーローは遅れてやってくる”という定番をなぞるような展開に、ファンたちは《秤の登場カッコ良すぎ…王道少年漫画になってきた》《まさかバトル漫画屈指の王道オブ王道展開が見れるとは思わなかった》《呪術にあるまじき王道爽やか登場シーン》《今週はほんっと、これぞジャンプ作品!!!!って叫びたい熱さ めっちゃくちゃ王道》と大興奮しているようだ。

「呪術廻戦」はこれまで、読者の予想を裏切るような斜め上の展開を繰り広げてきた。主人公の虎杖悠仁が物語の序盤で一時死亡扱いになったり、仲間になりそうなキャラを敵の手から救えなかったり、主要キャラが次々と退場するなど、ショッキングなシーンには枚挙に暇がない。

だが、前日譚にあたる短編漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』は、やや方向性が違っていた。怨霊のせいで孤独を強いられてきた乙骨憂太が、「呪術高専」で同級生たちと絆を育み、悪に立ち向かうという王道のストーリーだ。

ボリュームとしては短いものの、そこには「ジャンプ」の代名詞でもある「友情・努力・勝利」のすべてが濃密に圧縮されており、本編より好きだというファンも多いほど。同短編をもとに制作された『劇場版 呪術廻戦 0』の大ヒットを見ても、人気の高さがうかがえる。最近は、乙骨が「死滅回游」で戦闘を繰り広げ、胸を熱くする戦いが描かれていた。

パンダの物語から秤登場までの流れが…

今回の第185話は、幼い頃のパンダが登場し、ページのほとんどで彼の精神世界のような話を展開していた。ここ最近のサブタイトルは『東京第2結界』(1)~(4)だったが、今回はまったく異なる『バイバイ』であり、パンダに焦点を当てた物語である。パンダのお兄ちゃん核であるゴリラと、お姉ちゃん核であるトリケラトプスとの話が絵本のようなテンポで描かれ、どこかノスタルジックで目頭が熱くなるような演出だった。

そこから現在のパンダへ移行し、鹿紫雲によってボロボロにされた描写へ移り、そこへきて秤登場と、違うベクトルで感情が揺さぶられる1話に。さらに秤の登場にも特出すべき演出があるだろう。彼は強力なバフがかかったような状態で現れたのだ。

これは、2話前の第183話『東京第2結界(3)』のシャルル・ベルナール戦で披露された領域展開が関係していると思われる。秤の領域展開は、実在するパチンコ台『CR私鉄純愛列車1/239ver』になぞらえた世界観なのだが、初披露時はポップな絵柄での能力説明もあり、読者から《マジでスベってていたたまれなくなった》との批判の声も少なくなかった。しかし、シャルル戦で領域展開を発動し、能力を説明したのは、作者・芥見下々が今回の鹿紫雲戦に備えていたからなのだろう。

パンダの敵を討つ展開で、秤が領域展開の説明をするのは空気や雰囲気を壊すうえ、ストーリーや戦闘のテンポが削がれてしまう。さらに、シャルル戦でバフがかかっているように思えるため、乙骨が以前言っていた「ノってる時は僕より強いよ」という発言の信ぴょう性も増す。強そうには思えなかったシャルルで能力のお披露目会をやったあと、鹿紫雲との本命バトルを用意していたのである。

鹿紫雲はとてつもなく強いが、“秤ならやってくれるかもしれない”という期待が高まっていることだろう。しかし、次週で秤と鹿紫雲が本格的に戦うのかは不明。これまでも週をまたぐと、場面が180度変わる展開が何度もあったからだ。

鹿紫雲は物語の最後で「あんまワクワクさせんなよ」と発言していたが、このセリフは一体どのように転がっていくのだろうか…。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『呪術廻戦』19巻(芥見下々/集英社)

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