
『はじめの一歩』134巻(森川ジョージ/講談社)
5月25日発売の『週刊少年マガジン』26号に、長寿ボクシング漫画『はじめの一歩』の第1382話が掲載された。作中でも屈指の実力者たちが一堂に会し、スパーリングする展開となり、もはや試合本番よりも大きな盛り上がりを見せている。
※『はじめの一歩』最新話の内容に触れています
目的地のメキシコに到着して早々、ちょっとしたハプニングに見舞われながらもウォーリー、ヴォルグ・ザンギエフとの合流を果たした幕之内一歩と千堂武士。各々が握手を交わしていると、突如千堂はウォーリーにスパーリングを申し込む。
千堂はまったく慣れあう気がないようで、開幕早々に猛ラッシュをお見舞い。しかしウォーリーは軽やかな動きで全てを避けきってみせる。苛立った千堂は正面を位置取り、必殺のスマッシュを放とうとするのだった──。
練習とはいえ、このカードは深い因縁のある組み合わせ。ウォーリーは絶対王者リカルド・マルチネスとの一戦を控えているが、本来そのポジションは千堂の役目だった。千堂はあわよくばスパーリングでウォーリーを叩きのめし、代わりにリングに上がってやろう…などと考えているのかもしれない。
また、千堂がスマッシュを放つ場面で引きとなっているが、ウォーリーに通用するのかはわからないところ。想定外の実力に感服して、千堂が相手を認める展開もありえそうだ。
試合よりも盛り上がるスパーリング
さらに豪華なことに、今回のエピソードでは一歩とヴォルグによるスパーリングも示唆されている。寸止めを前提としたマス・ボクシングになるようだが、ヴォルグはやる気満々といった様子だ。
言うまでもなく、一歩とヴォルグはかつてのライバル同士。以前戦った時は一歩が勝利を収めたが、その数年後にはスパーリングで必殺技のデンプシー・ロールを破り、KOしている。ただ、一歩も現役引退中の身ながら、前話で苦手だったカウンターの習得を示唆されるなど、急成長を遂げている可能性があるだろう。もしかすると、一歩のポテンシャルが発揮されることで、あらためてボクサー復帰への道筋が示されるのかもしれない。
そんな予想のつかない夢の対決が一気に2カードも見られるということで、読者も大興奮。ネット上では、《金を払っても見たいスパーだぜ!》《豪華なダブルカード。次回が楽しみよな》《試合よりスパーの方がおもしろいという現象》といった歓声が続出しているようだ。
いざ試合本番となるとさまざまな引き延ばしが行われるため、こうしたマッチアップが実現するのはスパーリングならではの嬉しい展開。本当は、真剣勝負の場で同じような盛り上がりがあるとよいのだが…。
文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ
■『はじめの一歩』134巻(森川ジョージ/講談社)