『FF10』ワッカのネットミームに嫌悪感…「淫夢」から続く同性愛ネタの暴力性

『FF10』ワッカのネットミームに嫌悪感…「淫夢」から続く同性愛ネタの暴力性

『FF10』ワッカのネットミームに嫌悪感…「淫夢」から続く同性愛ネタの暴力性 (C)PIXTA

『ファイナルファンタジーX』(FF10)に登場するキャラクター・ワッカを題材とした二次創作動画が、ネット中で大流行。しかし動画の内容について、眉をひそめてしまう人もいるようだ。その理由は、やはり“同性愛ネタ”の暴力性にあるのだろう。

ワッカのネットミームが物議

コトの発端となったのは、ニコニコ動画などに投稿された「おとわっか」という動画。メドレー形式で流れる音楽に、ワッカを中心とした「FF10」の登場人物のセリフを合わせた、いわゆる“音MAD”だ。

とくにネット民の心を掴んだのが、TVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のOP曲「コネクト」に乗せて、ワッカに卑猥な言葉を連呼させるパート。詳細は伏せるが、以前広告で使用された「ティーダのコンボ気持ちよすぎだろ!」という文章が元ネタとなっている。

動画のフレーズはネットミームと化し、ワッカのことをティーダに焦がれる同性愛者として扱う風潮が根付くことに。もちろん原作ではそうした設定は一切なく、続編の『ファイナルファンタジーX-2』では女性のルールーと結婚して子をもうけていた。

原作云々は抜きにしても、ある人物を“同性愛キャラ”として、面白おかしくネタにすることを受け入れられない人も多い模様。一部では《まーた同性愛揶揄ネタですか? いい加減マイノリティをオモチャにするのはやめてくれ》《ホモネタで盛り上がるのとか、同性愛者に対する差別なんですよ》《何がおもろいんかも分からんしこれでキャッキャ騒いでるの純粋に気持ち悪い…》と、不快感をあらわにする声もあるようだ。

同性愛のエンタメ消費を続けるニコニコ動画

「おとわっか」が広まるきっかけとなった「ニコニコ動画」では、同性愛者向けに販売された映像作品を改変した、通称「淫夢ネタ」が1つの文化として根付いている。つまり、この手のコンテンツが流行るのは決して珍しくはないのだ。

そして「淫夢ネタ」については、前々から同性愛差別として問題視する向きがあった。出演者たちを“素材”として扱うことは人権侵害であり、同性愛を笑いのネタにする差別的なコンテンツだという意見が多く見られる。

これは元ネタの動画だけでなく、ネットスラングの“淫夢語録”についても同様。たとえば『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』において、有名な語録の「草」が使用されたことに対して、批判する意見も上がっていた。

「淫夢ネタ」でもワッカでも、ネタにする側は“明るい笑い”であり、差別ではないと反論しがち。しかし異性愛者が、同性愛要素を笑いに利用しているという点からして、問題がないとは言えないだろう。

『とんねるず』の保毛尾田保毛男や、『ダウンタウン』の黒塗りメイクが炎上した以上、ユーモアだからといって言い逃れできない時代が来ているのかもしれない…。

文=大上賢一

【画像】

master1305 / PIXTA

【あわせて読みたい】