映画『ゆるキャン△』を直視できないオタクたち…“日常系の終わり”に絶望

映画『ゆるキャン△』を直視できないオタクたち…“日常系の終わり”に絶望

映画『ゆるキャン△』を直視できないオタクたち…“日常系の終わり”に絶望 (C)PIXTA

女子高生たちの青春感あふれるキャンピングライフを描き、大ヒットした『ゆるキャン△』。今年7月から完全新作となる劇場版が公開されたのだが、その内容に賛否両論の声が上がっている。理由はやはり、“青春の終わり”にあるようだ。

映画『ゆるキャン△』の全然ゆるくない日常

議論の中心となっているのが、映画『ゆるキャン△』の時代設定。原作にない完全オリジナルストーリーで作成されているのだが、本編からおよそ7~8年後の主人公たちを描いている。

そのためメインキャラクターたちは高校を卒業し、就職して地元を離れているという設定。出版社や東京のイベント会社などに勤務しており、それぞれ会社員として日々の業務に追われている。そんな中、山梨の観光施設の再開発計画を手伝うため、かつての仲間たちがもう一度結集。自らの手でキャンプ場を開発する…というのが主なストーリーだ。

成長したキャラクターたちの姿は、まるで現実を見せ付けられているかのようだ。ファンタジーを求めていた層からは、《ゆるキャン観に行きたいけど、大人になったなでしこたちを見たくない気持ちをこじらせてる》《ゆるキャンの映画は見たくない、社会人のなでしこ達なんて見たくない》《社会人になった野クルを見たくないって気持ちが勝って映画館行けてない》《みんな高校生だったのに、劇場版で大人になっているの…見たいけど見たくない…》と恐怖する声が上がっている。

第3期への良からぬ影響も?

そもそも「ゆるキャン△」はきらら系としての完成度が高く、女子高生たちのゆるい日常描写が魅力。それに対して、実際のキャンプグッズ紹介や“野宿あるある”などのリアル要素が対比となっている。

しかし映画版では、日常とリアルのバランスが逆転。キャンプシーンでは大人の財力や社会人という立場を使った、大袈裟な描写が連続している。またショベルカーを運転し、土地を開墾するなど、素朴なキャンプ描写からはかけ離れたシーンも登場した。キャラクターの成長とは別に、そうした部分もファンには“刺激”が強いのかもしれない。

また、同作は今後制作されるであろうTVアニメの第3期にも影響を与える可能性が。TVアニメでは原作準拠で高校時代が描かれるだろうが、すでに“大人の姿”がお披露目となったことで、没入感が失われてしまうかもしれない。

日常系作品において、“終わり”を描くのは諸刃の剣。思えば、10年ほど前にあれだけ人気作だった『けいおん!』も主人公たちの卒業を描いたことで、急速に話題性が下がっていった。

終わりなき日常を終わらせた禁断の映画「ゆるキャン△」。今後のTVアニメでは、もう一度輝かしいキャンプライフを取り戻せるだろうか。

文=富岳良

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