ジャンプ『SAKAMOTO DAYS』新キャラが天才的!? 漫画表現の新境地“イケオバ”

ジャンプ『SAKAMOTO DAYS』新キャラが天才的!? 漫画表現の新境地“イケオバ”

ジャンプ『SAKAMOTO DAYS』新キャラが天才的!? 漫画表現の新境地“イケオバ” (C)PIXTA

『週刊少年ジャンプ』で連載されている鈴木祐斗の『SAKAMOTO DAYS』が、漫画表現の新境地を切り拓いた。同作は目が覚めるようなアクション描写によって読者を虜にしてきたが、今度は“イケオバ”という新たな概念を生み出したようだ。

※『SAKAMOTO DAYS』最新話に触れています

同作は、引退した伝説の殺し屋・坂本太郎をめぐって繰り広げられるバトル漫画。現在は「日本殺し屋養成機関(JCC)」にて、坂本たちの“学園編”が始まったところだ。

そんなストーリーの中で、第80話『再会』から新たなキャラクターが登場。その人物は佐藤田という名前で、古株の女性教師として「暗殺実戦演習」という物騒な授業を受け持っている。

どうやら圧倒的な実力を持っているらしく、続く第81話『テスト』ではさらなる活躍が。シンを片手で制圧するどころか、箸2本で動きを止めてしまう場面があったのだ。さらには若き日の坂本が片手でいなされていたことも明かされており、作中トップクラスの実力者である可能性すら出てきた。

一見するとやさしい中年女性といったビジュアルで、登場人物からは「おばさん」扱いされているのだが、戦闘力はホンモノ。ギャップに満ちた新キャラに、《佐藤田先生の強キャラ感マジで好きすぎる》《見た目が普通なおばさんの強キャラ珍しいし嬉しい》と一目惚れしてしまう読者も少なくない。

“強いおばさん”がいないエンタメ業界

漫画の表現としても、佐藤田のキャラクター造形は興味深い。というのもバトルものの漫画やアニメに出てくる中年女性は、年相応に見えない若い見た目をしているヒロイン枠が多い。あるいは『ONE PIECE』のDr.くれは、つる、『幽☆遊☆白書』の幻海などのように、“強いおばあちゃん”というテンプレも存在する。

その一方で男性キャラの場合には、中年男性が年相応のビジュアルとして登場し、メイン級の実力者として描かれることも珍しくない。むしろイケオジ枠のキャラクターは、しばしば人気者になりがちな印象だ。しかしそれにもかかわらず、見た目がリアルなイケオバはほとんど生まれてこなかった。

そこで「SAKAMOTO DAYS」に登場した中年女性の佐藤田は、年相応なシワがしっかりと描き込まれており、作中から若干浮いている気がするほどリアルなビジュアル。安易に記号的な見た目で読者を釣るのではなく、内面で人気を出そうという気概を感じられる。

もし読者に受け入れられれば、近い将来少年漫画に「イケオバ枠」が生まれてもおかしくないだろう。

文=野木

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StoryTime Studio / PIXTA

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