『リコリス・リコイル』は“令和のトップをねらえ!”なのか? 庵野秀明と監督の共通点

『リコリス・リコイル』は“令和のトップをねらえ!”なのか? 庵野秀明と監督の共通点

『リコリス・リコイル』は“令和のトップをねらえ!”なのか? 庵野秀明と監督の共通点 (C)PIXTA

2022年夏クールから始まり、国内外で大ヒットしているオリジナルアニメ『リコリス・リコイル』(TOKYO MXほか)。同作にはいろいろとユニークな点があるのだが、とくに注目すべきは監督・足立慎吾氏の経歴だ。アニメ監督としてはやや特殊なキャリアとなっている。

円盤は売れ筋ランキング1位に

同作が主に描いているのは、ヒロイン2人による“バディもの”のストーリー。本格的なガンアクションや先が気になる展開もさることながら、キャラクターの魅力が視聴者を惹きつけている。千束とたきなの会話だけでも、「ずっと見ていたい」と思わせるほど、キャラクターが生き生きと描かれている印象だ。

「リコリコ」の快進撃は、『Amazon.co.jp』の売れ筋ランキングにも表れている模様。売れ筋ランキングを見てみると、まだ発売されていない「リコリコ」のBD全巻セットが、おそらく予約数だけで第1位を獲得していた。この結果にネット上では、《アマラン1位ガチかよ…》《これは社会現象くるかもしれん》といった声が。

そんな「リコリコ」を生み出したのが、フリーランスである足立監督。これまでは『ソードアート・オンライン』シリーズのキャラクターデザインや総作画監督などを務めており、アニメーターとして高い評価を得ていた。そして演出業などもほとんど経ずに、初監督作として「リコリコ」を生み出している。

アニメーターから監督に転身した作家たち

アニメ業界では、このようなキャリアの持ち主が過去にも存在した。たとえば“股監督”という愛称でお馴染みの、高村和宏氏だ。

アニメーターとして『新世紀エヴァンゲリオン』や『フリクリ』、『まほろまてぃっく』などで活躍してきたが、初監督作の『ストライクウィッチーズ』がいきなり大ヒット。その後、同作は『ワールドウィッチーズ』としてシリーズ化され、今期はアイドル的な要素を盛り込んだ『ルミナスウィッチーズ』が放送されている。

そして「新世紀エヴァンゲリオン」の生みの親である庵野秀明氏も、大阪芸術大学時代の下積みはあるが、上京後はアニメーターとして評価された人物。そんな庵野氏がアニメ初監督作として世に送り出した『トップをねらえ!』は、今もアニメファンの間で名作として語り継がれている。

もしかすると足立監督にとって「リコリコ」は、高村監督にとっての「ストライクウィッチーズ」や、庵野監督にとっての「トップをねらえ!」のような作品になるかもしれない。

ちなみに「リコリコ」で脚本として参加している神林裕介氏は、足立監督の手腕について自身のツイッターで《足立さんが書く台詞が面白いんだよな、悔しいくらい笑》と絶賛していた。

1発の大ヒットで終わらず、ここから天性の才能によってさらに羽ばたいてくれることを期待したい。

文=大上賢一

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