『図書館戦争』が予言書に!? 鳥取県の有害指定書が大手通販サイトから消滅

『図書館戦争』が予言書に!? 鳥取県の有害指定書が大手通販サイトから消滅

『図書館戦争』が予言書に!? 鳥取県の有害指定書が大手通販サイトから消滅 (C)PIXTA

「メディア良化法」という架空の法律で表現が弾圧される世界を描いた傑作SF『図書館戦争』が、予言書となってしまうかもしれない…。先日出版社の『三才ブックス』が、鳥取県に有害図書指定を受けた影響で、インターネット上での販売が取り消された事実を明かしていた。

地方の有害図書指定が全国に波及!

鳥取県は、2020年に兵庫県宝塚市で発生したボーガン殺傷事件を受け、同年に「青少年健全育成条例」の1部を改正。その際、有害図書についても、インターネットを通じての販売を条例で禁止する旨を明確化していた。

この改正内容が公開された当時から、世間では鳥取県内の有害図書指定が、図書のインターネット販売に影響を及ぼすことを危惧する声が。さすがにそれは杞憂だと思われていたのだが、どうやら現実になってしまったようだ。

「三才ブックス」が公開した内容によると、今年2月に『アリエナイ医学事典』が『Amazon.co.jp』から消えていることが発覚。その他『アリエナイ工作事典』と『裏グッズカタログ2022』も検索に引っかからないことに気づき、Amazonに連絡したところ、鳥取県で有害図書に指定されたため、商品の販売及び販売のための掲載を禁止したと説明があったという。

地方自治体の匙加減で販売禁止!?

その後「三才ブックス」は鳥取県に問い合わせを行い、該当の3冊が有害図書に指定された理由を聞き出すのだが、議事録として渡されたのは「鳥取県青少年問題協議会有害図書類指定審査部会」の会議概要。PDF1枚の開催日時や場所、出席委員などしか書かれていない文字通りの“概要”で、話し合いの内容については一切書かれていなかった。

その後も問い合わせを重ねた「三才ブックス」だが、わかったことは職員が書店を巡回して、たまたま手に取った本を審査にかけ、記名投票を行うという杜撰すぎる有害図書指定のプロセスのみ。

つまり大雑把に言ってしまえば、いち地方自治体のいち職員による恣意的な“感想”によって、全国最大のインターネット通販サイトから商品が消える可能性もあるということだ。

「三才ブックス」もインターネット通販サイトでの売り上げの9割がAmazonだと語っているように、出版社にとってはあまりにも大きなリスク。この事態を受けてSNSなどでは、《ローカルルールでやる分には「勝手にすれば」で済むけどネット通販まで波及してんのは恐ろしいな》《これは流石に酷い》《さすがに違憲判決でるのではないか》《鳥取で図書館戦争の世界が始まるぞ》といった声が上がっていた。

地方自治体が極端すぎる条例を作って話題になるのはよくあることだが、今回の件は影響が全国区に及ぶため、《香川のゲーム条例より百倍酷い》とする声も。「三才ブックス」は「公権力による“暴力”」とまで語気を強めていたが、今後も鳥取県の匙加減でAmazonから本が消えていくのだろうか…。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

Sergiy Tryapitsyn / PIXTA

【あわせて読みたい】